アメリカのワクチン接種率からいうと、日本はまだまだ始まったばかり。接種の順番でかなり問題が多い。ニュースを見ていると滑稽と思えることも。日本政府のコロナ対応の遅れからきている印象がある。
2年ぶりの日本で、2週間の隔離期間中だ。飛行機は乗客が少なくゆっくりできた。降りてからは、いくつものチェックポイントとコロナの唾液検査を経てやっと入国審査、税関を通過して外に出られた。乗客数は以前に比べて圧倒的に少ない。人との接触を避け、公共交通機関を使わずハイヤーでホテルへ直行。兄弟や親せきがいても、お互いのリスクを考えて電話連絡だけ。
緊急事態宣言が出されていると言っても、カリフォルニアのロックダウンとは違って、ゆるゆるの感じがする。街では人の往来は以前と同様に見えるし、レストランではアクリル板があったりするが、店内で飲食している。スーパーマーケット、コンビニでは人数制限もなく買い物ができる。コーヒーショップでは、ゆっくり誰かとくつろいでいる様子が窓越しに分かる。ロサンゼルスから着いた者には、なんだ!普通じゃないの!と思えた。地下鉄の駅に入っていく人の数も多い。混雑が普通に想像できる。高齢者のデーサービス、幼稚園・保育園などの児童施設も普通に開いている。
ただ感心したのが、公園に設置されているごみ箱の周りにごみが散らばっていないこと、ごみをごみ箱まで持ってきて入れること。ベンチで弁当を食べた後に出たごみを、ごみ箱に入れて帰る。その光景に拍手を送りたい気持ちになった。
日本に来る直前の、ロサンゼルスのリトル東京で見ていた光景がよぎる。ごみ箱は倒したり燃やしたり、ごみはごみ箱ではなく、ごみが出たその場所に捨てる、まき散らす。それが普通の所だった。ロサンゼルスの公園にはホームレスがあふれていたのに、ここでは一人も見ない。
何を書いているのかと思われるかもしれないが、宿泊施設の周りで日本とロサンゼルスの「普通」の違いを思った。しかし、コロナ対応の遅れから感染が拡大している日本で普通を続けていて、封じ込めができるのか。
目的地の実家に移動できるまで、あと一週間。【大石克子】磁針