グレープフルーツの木の土の入れ替え作業を行うスタッフ
樹齢150年のグレープフルーツの木「サニー」
 日米文化会館前のJACCCプラザで5月22日、サンペドロ通り側の北西の角にそびえるグレープフルーツの木の土の入れ替えが行われた。木は樹齢約150年とも言われ、1885年ごろに形成が始まったとされる小東京にあって、それ以前の時代の名残として今も存続する2本の木のうちの1本。もう1本は1街に近いサンペドロ・ファームビルの敷地内にある。

 毎年、初夏には黄色い実をたわわに実らせながら、小東京の変化を一世紀半にわたり見つめてきた。JACCCを始めとする地元から大事にされ、サニーという愛称で親しまれている。今年もすでに実を付けているが、確かに幹はささくれ立ち、歴史を感じさせる。
 この日はサニーが健康を保つように、栄養豊富な堆肥を含んだ土壌の交換を行ったが、これはハンティントン・ライブラリーの園芸コンサルタントであるジョン・トレーガー氏の診断による推奨。この日はJACCCから、小東京サステーナブル・プログラムのディレクターのスコット・オオシマさん、

たわわに実ったグレープフルーツ。果汁を用いたカクテルナイトなどコミュニティーイベントの再開が楽しみだ
JACCC芸術監督の小阪博一さんや、カーネギーメロン大学特別研究員のケンジ・リウさんも参加して朝から作業を行った。JACCCのボランティアグループを手伝い、作業の指揮をとったジョン・ンガイさんはカリフォルニア工科州立大学サンルイオビスポ校のランドスケープ・アーキテクチャの修士候補だという。
 一昨年まではサニーを記念してグレープフルーツカクテルを楽しむ一夜など、コミュニティーイベントも催されてきたが、新型コロナ禍で昨年と今年は中止になった。そんな出来事もサニーの長い年月の歴史の中に静かに刻まれていくのだろう。サニーにとってこのパンデミックはスペイン風邪に続く2度目である。
 来年以降も元気に樹齢を重ね、変わりゆく日本人街を見続けて行くようにと願わずにはいられない。【長井智子、写真も】
グレープフルーツの木の土の入れ替えを行った日米文化会館のスタッフとボランティア。左からデイブ・ルさん、マック・スミスさん、小阪博一さん、スコット・オオシマさん、ジョン・ンガイさん、ケンジ・リウさん、アンドリュー・ジュウェルさん

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