東京に住んでいると毎年春の新年度が始まるや住んでいる自治体、僕の場合は世田谷区から健康診断の大きなパッケージが郵便で送られてくる。僕は高齢者だから「長寿健診のご案内」というのが来る。
 封筒の中には受診券や受診票と共に健康診断の案内や利用できる病院、医療機関、クリニック、医師の情報がずらりと入っている。東京以外の他県でもそれぞれの自治体で同様のシステムが動いている。
 東京都区内の場合は自己負担額がわずか500円(約5ドル)というほぼ無料に近い費用で(低所得の人はこれも無料になる)1年以内の都合の良い時期に総合的な健康診断を自分の好きな医療機関や医師、クリニックを選び受ける事ができる。
 今年の健康診断を僕も2、3日に分けて最近済ませたが、その内容は医師による実際の問診と診察、そして体重、身長の身体計測から始まり、血圧測定、血液検査、尿検査、更に心電図測定、胸部X線測定、大腸がん検査、眼底検査(眼科にて)、女性は子宮がん、乳がんまで網羅される。血液検査の例で言えば、各種コレステロール値や中性脂肪の測定に加え肝機能や血糖、尿酸、総タンパク、赤血球数、血小板数、血色素量、等々総合的に測定される。
 検査データがそろった段階で医師(行きつけ)との面談で結果に基づいたアドバイスがもらえる。僕の場合は以前はメタボリック症候群の気があり糖分を控えた方が良いというような内容だった。自分でもそうだと思った事だった。
 これら全てがほんの500円の負担で受けられるので日本の国民皆保険制度に基づくこの医療制度は日本国民の安心安全の健康管理のために優れた良い制度だと思う。日本国民だけでなく居住外人も同様にこの制度の恩恵を受けられる。
 東京の街は僕の場合の住まいは、世田谷区の成城という住宅街だが、歩いて出ると6、7分の駅(成城学園前)周辺に行きつけのクリニックをはじめ医師や医療機関がたくさんある。医師に会うのも買い物も食事も本屋も、何でも普段の行動は歩きで済み、自転車も車も電車もいらない。用事でどこか遠くに出掛掛ける時は電車やバスに乗るが、普段の必要な用事と物は自分の街を歩けば十分足りる。日本の街の生活スタイルはまことに自然で便利だと思う。【半田俊夫】

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