【長井智子】 昨年10月にシニアの昼食会を訪ねた際、万が一にもコロナウイルスを持ち込んだら申し訳ないので、初めてホームテストを購入して、訪問前に陰性を確認した。
数日前からバイデン大統領の施策で、無料家庭用コロナ検査キットの申し込みが始まったので、早速サインアップした。届くのは1月末になるらしいが、外出前にさっと検査をし、安心してハイリスクの会合などに参加できるようになればありがたいと思う。でも、もし陽性だったら?
そこで調べてみると最新のガイドラインは陽性者に「5日」の自主隔離を求めている。「症状の悪化がなく、5日目に検査で陰性を確認する」のが最善のシナリオか。そして少し驚いたのだが、ホームテストの陽性結果はどこにも届ける義務がないということだった。つまり毎日発表される感染者数にカウントされない人が、かなり出てくるということだろうか。
先ごろ、日本でコロナウイルス陽性になった日本在住の外国人が、日本の公的サービスの手厚さについて投稿サイト「Reddit」にポストして、話題になっている。自宅療養中だという投稿者は「日本では体調を尋ねる電話が毎日ある」と説明し、「著しく大量の食料を無料で受けとった」と感激をつづった。この投稿に「国によってこうも違うのか」と驚くコメントの数が世界各国から4千を超えている。新型コロナは地球規模・世界共通の話題である上に、コロナ感染者に対する処遇も国によってさまざまで、それが生の声で伝わってくるという感じで、読んでみるとなかなか面白い。米国や英国の住民サービスはかなり粗末で、日本は飛び抜けて国民を厚遇しているようにも受け取れる…。確かに日本では市町村の各レベルで「自宅療養支援バック」なるものがあるようだ。
日米感染者のかけ離れた数を思えば、少しは米国を弁護したい気にもなる。また投稿は日本でオミクロンのまん延が始まる前のことで、今後は対応も変わるかもしれない。だが「こういうサービスを米国で提案すると、社会主義だと言われかねないんだよね」という米国人のつぶやきには、「なるほどなぁ」と改めて両国の「民主主義」の違いを考えた。