殺人容疑でラスベガスのクラーク郡刑務所に勾留されているジョーダン・ルビー(左)とジェサニ・カーター(右)両容疑者=2021年12月31日(ラスベガス市警/AP)

 ネバダ州ラスベガスの判事は、複数の強盗・銃撃事件で殺人などの罪に問われているカリフォルニア州の男2人を犯罪予備軍とみなし、拘置所からの保釈の請求を却下した。2人は昨年の大みそかに、クラリス・ヤマグチさんと、ヒョーサップ「リーチャード」オムさんを殺害したとされている。
 ハーモニー・レティジア治安判事は、ジェサニ・カーター(20)とジョーダン・ルビー(18)の両容疑者の逮捕について3人の刑事の証言を聞いた後、「被告らはコミュニティーの脅威であることは間違いない」と述べた。両容疑者はクラーク郡の拘置所で保釈を認められずに拘束されたままだという。

犠牲になったクラリス・ヤマグチさん

 2人が逮捕されたのは2021年12月31日で、新年を祝う数十万人の観光客を集めたラスベガス・ストリップの花火大会が始まる数時間前だった。同判事は「2人は1年のうちで最も忙しい週末に、コミュニティーや観光客を脅かすために町を訪れた」と述べ、容疑者らを糾弾した。
10日時点における両容疑者の罪状は、殺人未遂、凶器を使用した強盗、強盗の共謀を含む計13件で、予備審問は2月10日に予定されている。
 マーク・ディジアコモ検事は死刑を求刑する可能性があると述べている。両容疑者の弁護士は、法廷外でのコメントや、依頼人のカリフォルニア州の出身地の提示を拒否。また、保釈審問に出席したカーター容疑者の家族は、記者との会見を拒んだ。
 ハワイ州ワイパフ在住のクラリス・ヤマグチさん(66)は日系人で、21年12月31日の午後、ファッションモールの駐車場で、財布を奪おうとした容疑者らに襲われた。警察の発表によると、ヤマグチさんの夫が容疑者らと格闘する中、ヤマグチさんは銃で撃たれ亡くなったという。この事件から5時間もたたないうちに、ヒョーサップ「リチャード」オムさん(60)が、パレス・ステーション・ホテルの立体駐車場の3階で撃たれ殺害された。ラスベガス市警は10日、オムさんが殺害される前に同ホテルのカジノでゲームをしている様子が監視ビデオに映っていたと証言し、また、オムさんの財布は事件現場で発見されなかったと述べた。
 同市警は、21年12月30日にウィンリゾートで、31日にサハラホテルの駐車場で起こった強盗事件を説明。犯行現場で目撃されたカリフォルニア州の仮ライセンスプレートを付けたシルバーのBMWセダンと、監視カメラに写った両容疑者の画像の関連性について述べた。ディジアコモ検事は、2人が「年末年始に人々を襲う目的でラスベガスに来た」と主張している。
 また、両容疑者は、サハラホテルの従業員から金を奪おうとして発砲し、さらにオムさんが殺害されたパレス・ステーション・ホテルの駐車場の別の階では、女性に銃を突きつけ所持品を奪うなどの強盗事件を起こしている。両容疑者は、バリーズラスベガスに駐車した後に逮捕された。ラスベガス市警によると、車両の捜索では女性から奪った小切手やグロック社の9ミリハンドガンが見つかり、この銃はサハラホテルで発見された薬きょうと一致している。
 ハワイでは、犠牲となったヤマグチさんの家族が、正義を求めて支援活動を訴えている。娘のシェリル・ハリモトさんは、ハワイ・ニュース・ナウや他の地元メディアに声明を発表し、「胸が苦しい。私にとって母は親友でもあった。とても寂しい」と述べた。
 ヤマグチさんを知る友人は、フェイスブックに「クラリスは私たちの大切な友人の母親だった。彼女は優しい妻であり、同時に母親、祖母、叔母、友人、そして同僚だった」と投稿している。生前ヤマグチさんは、週末のショッピングや、3人の孫のダンスや音楽の発表会、野球、サッカー、チアリーディングの大会といった課外活動の応援などにいそしんでいた。
 ヤマグチさんの家族は、カーターとルビー容疑者の保釈を阻止するため、1月7日までにEメールでレティジア判事にメッセージを送るよう市民に呼び掛けた。「母はこのような注目を浴びることを好まないだろう。しかし私は彼女のために戦いたい。できることは何でもするつもりだ」とハリモトさんは話している。
 レティジア判事は、ハワイの人々からヤマグチさんと保釈審問についてのメッセージを受け取ったことを認めたものの、検察官と弁護人と共有できるようになるまで未読のままにしておいたという。このメッセージは、この事件の証拠の一部とされた。

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