大統領が一世帯に4個ずつと公約した新型コロナウイルスの家庭用検査キットが、わが家の郵便受けに先週末届いた。オンラインで申し込んでから約2週間半後だった。
 2年前の今ごろは、新型コロナウイルスの米国上陸で除菌用のアルコールやワイプ(手拭き)が一斉に店頭から姿を消した。いくつかの店を回ってようやく手に入れたと言って、息子がわが家に除菌用ワイプを抱えてきてくれた。端切れ布で私もマスクを作った。やがてアルコールもワイプもマスクも徐々に店の棚に戻り、ワクチン接種を経て、それなりに以前の日常に近い暮らしができるようになっていたのに、このオミクロン株の出現。昨年暮れに息子が再度買いに走ったのが、新型コロナウイルスの検査キットだった。
 爆発的な感染力でコロナ感染のチャンスは激増。加えて、症状がこれまでよりやや軽いらしいとあって、気になる症状が出た場合にそれが風邪なのかコロナなのか分からない。この家庭用検査キットを使うことで、陰性結果に安心して行動することも、陽性ならとりあえず自主隔離することもできる。使う事態が起きないことを願いながら、薬品棚にしまった。
 オミクロン株の感染力の強さは、マスクの基準も変えた。布製マスクや通常の不織布マスクでは効果が薄いとして、N95など防護力の強いマスクがCDC(疾病予防管理センター)により勧められ、これも今月から全米規模で無料配布が始まった。ドラッグストアや、薬局併設のスーパーマーケットで、1人3個までというものだ。
 このマスクだが、毎回使用のたびに捨てるのは、環境保護の点からも経済的な面からも気になる。かといって、ウイルスの付着しているかもしれないマスクを再使用してコロナ感染するのでは本末転倒だ。ところが同じ思いからだろう、先日のニューヨーク・タイムズは、マスクの安全な使いまわし回し方法を紹介していた。つまり、CDCなどによれば物体に付着したコロナウイルスの生存時間は72時間(3日)ほどなので、袋の中でマスクをそれ以上休ませてからの再使用であれば問題無いというもの。少しでも参考になれば幸いだ。【楠瀬明子】

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