作品賞候補10作が発表された。5段階評価の個人的見解でレビューする。
 「Don’t Look Up」2点 大スター俳優勢揃いのブラックユーモアコメディー。現代社会を風刺。期待しすぎたか、やや拍子抜け。
 「Nightmare Alley」3点独特なビシュアル・スタイルのサスペンス・スリラー。野心が裏目に出たため人生が狂っていく興行師の生きざま。怪奇傑作。
 「Licorice Pizza」3点 70年代のロサンゼルス郊外を舞台にした胸がキュンとなる青春純愛物語。当時の楽観的な雰囲気がほのぼのする。実在した人物も登場し、特異なストーリー展開が面白い。笑えるシーン盛りだくさん。
 「West Side Story」3点 1961年のロマンチック・ミュージカルの現代版リメイク。街通りのダンスシーンは圧巻。NY移民社会での愛の悲劇に涙する。躍動する若者たちの心情を巧みに描き出すスピルバーグ監督の力量はさすがだ。
 「Dune」4点 近未来SFアドベンチャー作品(リメイク)。洗練されたアートデザイン、見事な視覚効果、新惑星の壮大な砂漠の映像は息をのむ。一気にその世界に吸い込まれる。エピックを象徴する超力作。
 「King Richard」4点 娘のウィリアム姉妹を世界一の女子テニス選手に育て上げる父親の実話に基づく家族愛ドラマ。従来の概念に惑わされず型破りな教育法を貫く信念と根気が心を打つ。
 「The Power of Dog」4点 1920年代のアメリカ西部のモンタナ州が舞台。雄大な自然の中で繰り広げる心中の葛藤に苦悩する人間模様をそつなく描く。ショッキングな結末。
 「Drive My Car」5点 村上春樹の短編小説が原作。ストーリーが淡々と進む。3時間は長く感じない。過去の深い心傷を克服し、将来必ず立ち直れる希望を体験できる。異彩を放つ名作。
 「CODA」5点 舞台は海辺の小さな街。耳の不自由な家族で唯一健聴者の高校生の娘の成長物語。家族の強い絆を痛感。幾度も笑い、そして涙も…。
 「Belfast」5点 北アイルランドの平和だった街が宗教対立で暴力のコミュニティーへと急転。9歳の少年の視点で、現実、家族、国家の在り方を問う。白黒映像がフィット。完成度が高い素晴らしい作品。
 授賞式は3月27日に開催予定。 【長土居政史】

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