スマートフォンに睡眠のアプリを入れて眠りの質を気にするようにしてから、最近、続けて面白い夢を見ている。夢は誰もが睡眠中に見ているが、大方が目覚める時に忘れている(覚えているようにできていない)ということらしいので、「忘れられない印象的な夢を見ている」わけだ。
 その夢たるや、時には「15年以上前に離婚した夫が女性とご一緒で、私が頭から湯気を出して怒っている」というとんでもない内容だったりするが(念のため言うと、過去にこんな事実は無い)、その原因は間違いなく、アップルTV+の「テッド・ラッソ 破天荒コーチが行く」というコメディードラマ。レベッカという「別れた夫に復讐したい英プロ蹴球団の女性オーナー」という、とても愉快な副主人公を気に入っているから。とはいえ、無意識下で自己流夢番組を再演するなら、自分の夫役はトム・クルーズにでもしておけばよかった。「あああ、もったいない」と少し残念。
 だが、時には不思議な啓示を感じさせる夢も見る。それは夢の中で私の住んでいる場所の景色なのだが、これまでに数年にわたって、時々に見るシリーズ物だ。家は英国チューダー様式の3階建てで、近くに海があり、防波堤の上に寂しげな観覧車が回っている。もちろん夢なので内容は突拍子もない。
 いったいどこなのか。私が深層心理で求めている世界観? 続きを見たくて寝直してみても、そうはうまく見られないのが、また夢である。
 人生夢劇場。眠りも夢劇場。幸い、悪夢は見ないのでありがたい。初夢の一富士・二鷹・三なすびをはじめ、日本人は夢も占いにしたり縁起を担いだりする。
 眠りの仕組みはややこしく、何度聞いても分かりにくいが、レム睡眠とノンレム睡眠という二つの状態が繰り返される中で、繰り返しが多くなるほど、1回のレム睡眠の時間が長くなるという。夢を見るのはレム睡眠時なので、夜中に目が覚めたりトイレに行ったりすることなく長時間眠れた時に、しっかり記憶に残る長編の夢を見ることが多いということか。
 睡眠のアプリは私の睡眠を分析するばかりか、寝言やいびき、歯ぎしりまでレポートしてくれるのだが、その結果はここでは書かないことにしておく。(長井智子)

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