経済を動かすにはある程度は仕方ない、受け入れるしかない、と割り切るようになったのか。コロナに感染して亡くなる人が今までで一番多くなった。その中心は60歳以上の高齢者だけど、基礎疾患がない若い人たちや幼い子どももいる。
 感染者数はいまだに高いまま。後遺症で苦しむ人も多くなっている。でも、何らかの手が打たれるかと思ったら、そうではなさそうだ。感染対策と経済活動を両立させることを目指しているという。緊急事態宣言が出た去年の夏の10倍以上の感染者数となったけれども行動制限はなかった。沖縄県など自治体ごとには制限が出ていたけれど。
 閣僚は「ウィズコロナ」という言葉をよく口にする。感染者や死者、後遺症患者が増えても仕方がないと考え経済を回そうとしているように見えるし、どこまでコロナ前の姿に戻せるか社会実験をしているようにも思える。毎日300人もの人が亡くなっている。その多くは高齢者で持病を抱える人たちだからやむを得ないのか。
 国は感染者を減らすための根本的な解決策を見つけることなく、今の状況からは矛盾しているとも思える方針を矢継ぎ早に打ち出している。それは陽性者の隔離期間の短縮、海外からの個人旅行の解禁、入国する人数の制限緩和など。再び感染者が増えるきっかけになりそうな政策ばかりだが、きっと経済団体や観光業界からの強い働きかけがあってのことなのだろう。
 最近のニュースでこんな話があった。米国のシンクタンクの調査で、息が続かない、頭に霧がかかったような症状が出るなど、後遺症に苦しむ人がおよそ1600万人。このうち最大で400万人が、仕事ができない状態で、経済損失は年間で最大2300億ドルにもなるという。
 この結果から、感染者数を抑えることに力を入れなくなった日本の末路が見えるようだ。これからさらに痛い目に遭うのでと心配になってしまう。私たちはどこまでなら受け入れられるのだろうか。これはどんな社会を目指しているのかが問われているように思う。私たち自身も考える必要があるけれど、その前に政治のリーダーたちから説得力のある言葉を聞きたい。(中西奈緒)

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