障がい者のきょうだいを描いた「ふたり〜あなたという光〜」

 「日本」をテーマにインディペンデント短編映画を米国で紹介するニューヨーク・ジャパン・シネフェスト(NYJCF)が3年ぶりの劇場上映とオンラインのハイブリッドでスタートする。14日にニューヨークで実上映、全米から視聴が可能なオンライン上映の期間は15日から20日まで。
 公募から選出された12作品に加え、日本の著名映画祭からの推薦作品など良質の短編がそろう。

 11回目を迎える今年の映画祭はこれまでで最多の全21作品を上映する。内容は、ホラーとSFを含めたナラティブ13本、ドキュメンタリー5本、アニメーション3本となっている。2015年から日本の映画祭との交流を継続しており、今年は札幌国際短編映画祭(SISFF)から「見知らぬ人の痛み」、あいち国際情勢映画祭(AIWFF)から「ふたり〜あなたという光〜」、ショートショートフィルムフェスティバル(SSFF)から「ファイナル・デスティネーション」などのアニメーション2本、ドキュメンタリー「ここからみえる景色」、そして「ただの夏の日の話」など。合計7本を上映する。

「ただの夏の日の話」は、陽月(右)が見知らぬ「おじさん」とある夏の日を過ごす

 NYJCFはニューヨークを拠点に活動する3人の日本人、鈴木やす(俳優・映画監督)、古川康介(映像作家)、河野洋(イベント・音楽プロデューサー、MarCreation代表)が12年に設立。15年シーズン以降は、ボストン、ワシントンDCなどの米国各都市で巡回上映や、日本の映画祭(あいち国際女性映画祭、札幌国際短編映画祭、門真国際映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル&アジアとのコラボレーションを行っている。コロナ禍の影響を受け20年からオンライン開催してきたが、本年は3年ぶりにニューヨークの実会場での開催を決定。上映は14日午後7時より、ニューヨークのスカンジナビア・ハウスで9本を上映する。詳細はウェブサイト—
 https://www.eventbrite.com/e/new-york-japan-cinefest-2022-in-person-screening-tickets-463641964597
 オンラインの視聴登録料は15ドル+任意寄付。
 フェスティバルサイト—
 https://watch.nyjcf.com
 公式ウェブサイト—
 https://nyjcf.com
 問い合わせは、電話917・400・9362、またはメール—
 info@nyjcf.com

近未来の独立都市「サブミッタン」は、人口増急増などの問題に直面する

 ▽NYJCFの上映作品は次の通り。
 Veils(監督・なかやまえりか・2021ドラマ・日本)
 Lost in Eden(監督・林ハキム・2021ドラマ・日本)
 Kurosawa’s Grave(監督・ベン・ロペス・2021ドキュメンタリー・米国)
 大きいことはいいことだ(監督・ラリー・タン・2021ドキュメンタリー・台湾)
 今日の空は大好き(監督・矢野数馬・2022ドラマ・日本)
 MaTcH(監督・勝山真樹・2022ドラマ・日本)
 The Voice Actress(監督・高山杏奈・2022ドラマ・日本)
 カセットテープ(監督・松本動・2020ドラマ・日本)
 サブミッタン(監督・木村晋・2021ドラマ、SF、ディストピアン・米国)
 影法師(監督・落合賢・2020ドラマ、ホラー・米国)
 あきらめないで尾形明紀・ムーアズビルで(監督・ロイス・アキフミ・ウィルモット・2022ドキュメンタリー・米国)
 Above Water(監督・ケン・ホンジョウ&ケンタロウ・ヨシムラ・2022ドキュメンタリー、環境・米国)
 ファイナル・デスティネーション(SSFF)(監督・田村鞠果・2021アニメーション・米国)
 ここからみえる景色(SSFF)(監督・深田志帆&キース・ベッドフォード・2021ドキュメンタリー・日本)
 MARE(SSFF)(監督・石田たまき&河邉明登・2022アニメーション、SF・日本)
 牡丹の花(SSFF)(監督・土居佑香・2021ドラマ・日本)
 ただの夏の日の話(SSFF)(監督・松岡芳佳・2021ドラマ・日本)
 見知らぬ人の痛み(SISFF)(監督・天野大地・2021ドラマ・日本)
 ふたり〜あなたという光〜(AIWFF)(監督・佐藤陽子・2021ドラマ・日本)
 MI(監督・中村マサ・2022アニメーション・米国)
 宇久島(監督・野上鉄晃・2021・ラマ、歴史・日本)

【あらすじ】
 Veils 小さな書店経営者・谷あゆみ(28)と会社員・村上紗香(28)は同棲中のカップル。日々の中でLGBTQ当事者としての息苦しさを感じつつも、2人には交際5年の節目に結婚写真を撮る楽しみが待っていた。ある日、紗香はフォトサロン検索サイトで「LGBTQ対応可」の文字を見つけ問い合わせるが、サロンから届いた返答に落胆と怒りを隠せない。止める紗香と抗議に行くあゆみ。ベテランスタッフの大島に、あゆみの言葉は届くのか。そして、2人の幸せが満たされる場所はあるのか。

「MaTcH」は、お見合いを持ちかける母親に対し、息子はマッチングアプリで婚活をする

 今日の空は大好き 昨日の空、覚えていますか? 空はいつでも、見上げた先にあるもの。雲が呑気に散らばる今日の空が、私は大好き。今日を想う大切な気持ちは、永遠に続く空のように、明日への希望となる。詩人・谷川俊太郎が書き下ろした詩「今日の空は大好き」をモチーフにした作品。

 MaTcH 30を過ぎても独り身の息子を案じ、幼馴染とのお見合いを持ちかけるために上京した大阪から出てきた母親。しかし息子がマッチングアプリで婚活をしていると知る。第にそのアプリに疑念を抱き始め、考え方の合わない息子との間に大きな溝を感じ始める。

 The Voice Actress 東京で働くベテラン声優の金魚は、全てのものに魂を見出す少し変わった能力を持っている。変わりつつある声優業界で彼女は自らの生き方を考え直さなければならない。

 カセットテープ アラサー女子・咲の、恋と愛の物語。恋人・彬から念願のプロポーズを受け、2人は一緒に父・静夫のもとを訪れるが….。そんな父娘の心を、懐かしい音楽の詰まった「想ひ出」のカセットテープが、ゆっくりゆっくりと紡いでゆく。

 サブミッタン 近未来の独立都市サブミッタンでは、市民の急増に悩んでいる。そのため、80歳になった市民は、山の麓のコミュニティに「引退」させられることになった。日本からの移民であるチェイスは、生活苦から抜け出すため、その政策を推進するプロパガンダの作成を手助けすることになる…。

 影法師 1930年代のシアトル。閉じ込められた日系アメリカ人の父と娘は、妖怪影法師から逃れるため、命を賭けて「影踏み」をしなければならなくなる。影法師に影を踏まれると命を奪われるため、2人は影を作らないよう明かりを避けて逃げ回るが、影法師は影を踏もうとしつこく2人を追い続ける。

 ファイナル・デスティネーション(SSFF) 監督「この作品はダークコメディでありながらも重いテーマを扱っているため、笑いとシリアスのバランスを大切にしました。キャラクターたちの性格や主人公の繊細な感情の動きを表現するために、デザインから演技、場面ごとの色や光まで、細部にこだわって製作しました。『生きてさえいれば、いつか次の目的や楽しみを見つける時が必ず来る』というメッセージをぜひ感じていただけると嬉しいです」。

 ここからみえる景色(SSFF) 日本で暮らす6人のアフリカ系アメリカ人。彼らはなぜ日本で生きることを決めたのか。そこからみえる日米の人種や差別の問題と社会を描く。

 MARE(SSFF) 毒ガスによって、汚染された世界。隔離された施設の中で、海の絵を描く1人の画家がいた。なぜ画家は海の絵を描くのか、この世界に何が起こったのか…。環境汚染と隔離生活をテーマとした私たちの遠くない未来の話。

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