今年の夏休みは久しぶりの海外旅行で韓国へ。福岡からビートルという高速船に乗って釜山へ向かった。いまや音楽や映像作品でアジアの先端をいく韓国。韓国料理や美容だけでなくこの国の勢いを肌で感じたかった。
 対馬を横目に見ながら3時間ほど過ごしていると、だんだんと釜山の町並みが見えてきた。船での海外入国は初めてだったので、とてもわくわくしてカメラを回した。大航海時代に新大陸を発見した人たちはこんな気持ちだったのだろうか。
 釜山は日本でいうところの大阪のような雰囲気だった。都会と田舎、開発が進んでいるところとそうでないところが入り組む雑多な街で、日本の地方都市に似ていると思った。街ゆく人たちは私とは変わらないアジア人。口さえ開かなければ街に溶け込んでいる気分になった。全く読めないハングル文字だけが外国に来たんだと実感させてくれる。
 早々に向かったのは、人気のドラマシリーズ「孤独のグルメ」の釜山編で紹介されたお店。タコ、エビ、ホルモンを甘辛く炒めた郷土料理ナッコプセ。海辺を歩き若者に人気のカフェでアイスアメリカーノ。名物チキンをテイクアウトし、ロッテマートの地下でお惣菜とマッコリを買ってのホテルでの晩酌もよかった。
 釜山からは済州島のクラフトビールを片手に高速鉄道でソウルへ。2時間半で一気に東京のような大都会の景色になった。ここでは欧米からと思われる観光客も多く、中心部は特に若者でにぎわっていた。日が暮れると屋台が並び、老若男女がおでんやトッポキ、焼酎を楽しんでいる姿があった。
 ソウルで一番うれしかったことは、ずっと会いたかった韓国映画&ドラマの専門ライターさんとその親しい記者仲間に会えたこと。韓国作品の内情や背景、勢いが出てきているアートの話などローカルな話にくぎ付けになり目が輝いてしまった。
 コロナ禍以降、変わらない日常が続いていた。久々に気の赴くままに歩いて、人や町を観察。口にするもの全てがおいしく、人気のコスメショップではパックを大人買い。コンビニはもはやアミューズメント広場だった。五感をフル稼働して楽しんだ4年ぶりの海外はあまりにも新鮮で刺激的だった。(中西奈緒)

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です