
茶道裏千家淡交会ロサンゼルス協会(堀宗博会長)は14日、小東京のダブルツリー・ヒルトンで新春恒例の茶会「初点式」を催し、参加した116人が新年の門出を祝った。点(たて)初めはロビンソン宗心社中が務め賀客をもてなした。

阿部宗真幹事長が開会のあいさつを述べ、1年前の幹事長就任の際の心境を振り返った。「この組織を率いる大変な任務を引き受け、緊張しながらこの壇上に立った。その時、幹事長としての私の指針を淡交会ロサンゼルス協会のミッションステートメントにしようと決めた。なぜなら日本語であろうと、私が話す英語であろうと、われわれの共通の目的は変わらないからだ」と述べた。
昨年1年の活動を振り返り、「通常より多くのデモンストレーションを行い、やりがいを感じた。ロサンゼルス全域で茶道を広めるという目的のために、貴重な時間と人材を提供した役員、会員、そして支援者に感謝したい」と語った。協会の運営については「若手会員の育成と新しい指導者の養成を優先させ、2年目も積極的に企画、運営、実行できるように励ましていきたい」と意欲を示した。出席者に向け「一碗のお茶を通して平和を感じていただくことができると信じている。ロサンゼルスの裏千家の将来を確かなものにするために、これからも支援を求めたい」と呼びかけた。

新年のあいさつに立った堀会長は阿部幹事長の仕事ぶりを「素晴らしい」と褒め、会場からは大きな賛同の拍手が起こった。新型コロナのパンデミックによる茶道人口の減少に触れ「日本では顕著で、また教授者の多くが引退したというが、ロサンゼルスは世界の中で数少ない例外の一つであり、茶道人口が増えている」と胸を張った。「ロサンゼルスでは日本人以外の多くの人々がお茶を通して日本を知ろうとしている」と述べ、第16代家元・坐忘斎宗匠の言葉「世界の人々が日本文化を理解するには、お茶が最適である」を引用してロサンゼルス協会の成功を強調した。亡くなった同協会の指導者と支援者そして、元日に日本を襲った能登半島地震の犠牲者に哀悼の意を表した。昨年100歳を迎えた前家元の大宗匠・千玄室の教えを紹介し、茶会の楽しさや一期一会の精神など、お茶から受ける恩恵について述べ「今日の茶会でお茶を楽しみ、コロナ後の再会を喜び、大宗匠が言った平和と一碗のお茶の心を広めてほしい」と願った。

その後、来賓の曽根健孝総領事があいさつし、能登半島地震の犠牲者の冥福を祈るとともに、米国からの災害支援に謝意を表した。総領事は同会で名誉会長を務めているが、茶会についてあまり勉強したことがないと述べた。だが外務省に入省した1989年に日本の伝統文化を学ぶ機会があり大宗匠の講義を受けたことがあると話し、「他者を敬う茶道の精神を学んだ。このことが、私が茶道を経験する上で最も大切な一つと思っている」と語った。「同会が各所で行っている茶会に参加した」と言い、会員の労をねぎらい、会のさらなる発展を願った。

点初めは、亭主が上原宗美さん、中半東はキム宗恵さん、外半東は吉川宗優さんが務め、ロビンソン師が説明を行った。正客に曽根総領事、次客に曽根麻未総領事夫人、三客に小泉宗由・オレンジ協会相談役を迎えた。
床の間には千宗担筆「露路之絵」を飾り、初春にちなんで「青竹」の花入れに「結び柳 季のもの」を生けた。茶道具は、香合が湖彩造「ぶりぶり香合」、水指は今岡修三造の「桐に鳳凰」、薄器が六左衛門造「四季の草花」、茶杓は長谷川大真作 銘「瑞雲」、茶碗は杉田祥平造「扇面」を用いた。参加者は、会員の児玉宗信さんの手作りの茶菓子「なごみ」を賞味しながら初春の一碗を堪能した。

亭主を務めた上原宗美さんは茶道歴約20年。点初めのお点前は昨年の12月初めにロビンソン師から告げられたと言い「荷が重く、私にはまだ早いと思ったが、先生に稽古を2度つけてもらえたので良かった」と、自信を持って臨んだ様子を伺わせた。初めて100人以上の前でお点前を披露した上原さんは大役を終え「務めさせてもらったことをとても光栄に思う。緊張したが、無事に終えることができほっとした。次はもっと安心してできると思う」と笑顔で話した。
阿部幹事長が開会のあいさつで話したように、若い会員が経験を積むことを狙って点(たて)出しの多くが青年部に任された。阿部幹事長は「116人の出席者を前にいいお点前を披露することができた」と評価した。改めて今年の抱負は青年部のメンバーを育てることだと話し、「若い人たちが茶会の準備をし、茶会全体を自分たちで仕切ることができるように、イベントを経験しながら学んでほしい」と述べた。

▽淡交会LA協会の今年の主なイベントは次の通り。
デモンストレーション(2月18日、サウスコースト植物園)、利休忌と講演(3月24日、日蓮宗米国別院)、英語部と青年部主催の「春から夏へファンドレージング茶会」(5月19日、グレンデールの松聲庵)、英語部と青年部主催「ハロウィーン茶会」(10月27日、グレンデールの松聲庵)、宗旦忌と花月(11月27日、日蓮宗米国別院)

