この時期になるとスポーツファンは落ち着かない。「マーチ・マッドネス(3月の熱狂)」をキャッチコピーに掲げバスケ全米大学一を決めるトーナメントが間近に迫るからだ。現在各カンフェレンス内で優勝争いを繰り広げており、3月17日に男女合わせて出場68校の組み合わせが発表される。興奮度は日本でいう全国高校野球甲子園大会に似る。
 プロバスケ(NBA)スターになる以前のマイケル・ジョーダンは、ノースカロライナ大学1年生の時に決勝で伝説的逆転シュートを決め、同校を優勝に導いた。今回は女子に焦点を当て、本大会で活躍が期待される有能な選手たちを紹介する。
 昨年準優勝したアイオワ大のケイトリン・クラークは、女子通算得点の新記録を樹立。レイアップと呼ばれるドリブルで走りゴールのリング近くでジャンプするシュートや3点獲得のロング・シュートを次々と見事に決める。
 昨年LSU(ルイジアナ州立大)を初優勝に導いて大会最優秀選手賞を得たエンジェル・リースは、リバウンドもうまく頼もしいプレーで相手を圧倒。モデル並の美貌で、ソーシャルメディアでも人気を博する。
 高校時代から注目され11回の最多優勝を誇る名門UConn(ユーコン/コネチカット大)に鳴り物入りで進学したペイジ・ベッカーズも注目選手。試合をコントロールできるバスケIQが抜群。不運にも数年連続してけがをしてしまったが、女子プロ(WNBA)のドラフト・トップ3と言われる中で先月完全回復し4年生として大学に残ると表明し、ファンを喜ばせた。
 また、個人的にはUCLAのキキ・ライスがイチ押しだ。メリハリある落ち着いたプレーが素晴らしく、見ていて楽しい。
 「ファイナル4」と呼ばれる準決勝戦と、決勝戦は、4月初旬に行われる。女子はオハイオ州クリーブランド、男子はアリゾナ州グレンデール(フェニックスの郊外)で開催される。今年の男女大会に費やされる合法賭博の掛け金は、カジノ産業を統制するアメリカン・ゲーミング協会よれば27億2千万ドル(1ドル=150円で換算して4080億円)に及び、2月に開催されたアメフトのスーパーボールを上回ると推定されている。ちなみに現在は全米約38州でスポーツ賭博が合法である。まさに「マーチ・マッドネス」だ。(長土居政史)

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