地元LAスポーツファンの話題は言うまでもなく大谷選手だ。ところで打順は2番である。
自分が野球少年だった昭和時代は、常勝巨人軍の王&長嶋選手に憧れて誰もが3番か4番打者を目指した。選球眼抜群で快足の先頭打者が塁に出て、犠打の名人2番打者が送りバント、そしてメインのパワーヒッター3番、4番が長打で得点…が定番だった。
昭和37年(1962年)から昭和53年(78年)までの17年間は、2人で打点王(王13度、長嶋4度)を独占。ホームランも打つので打点はおのずと増え勝利へのセオリーが完成する。日本では、いまだとにかく得点圏内の2塁まで走者を送る「つなぎ」を重要視するチームプレーが基本戦術。よって2番バッターは、自らを犠牲にする献身的役目の印象が強い。
MLB(メジャーリーグ)は時代とともに進化した。無死満塁でも、誰もがブンブン大振りで、無残にもスリーアウト、無得点も見かける。バッターは重くて早い球に当てるのも困難な上、送りバントの練習は余りしていなさそうだ。
84年にOBP(出塁率)やOPS(出塁率プラス長打率)を公式に取り入れ、本格的にデータ分析を開始。2000年以降、さらなる多様な指標解析に取り組んだ。科学的統計実証の結果、07~08年頃、実は3番打者より2番打者の方が約40~50打席数が増え、ノーアウトかワンアウトの場面が多いため、強打者を早めの打順に置いた方が得点の機会が最適化されると判明。
13年エンゼルスのマイク・トラウト選手が2番打者トレンドの走りといわれる。MVP3度獲得、大谷選手の元チームメイトだ。
アメリカン・リーグは1973年以来、ナショナル・リーグも2022年に指名打者制を採用。下位打線から上位まで途切れなく回るので、2番バッターに強打者配置も理にかなう。
メジャーの醍醐味(だいごみ)はホームラン。それなら1番から9番まで全員ホームランバッターを起用…は機能しない。ホームラン最多チームがワールドシリーズで優勝したのは、20年LAドジャーズだが、コロナで短縮シーズンだった。その前は、09年のNYヤンキーズまでさかのぼる。投手、守備も重要だから野球は面白い。大谷選手2番バッターはとりあえず納得だ。(長土居政史)
