

米プロサッカーリーグ(MLS)のロサンゼルス・ギャラクシーが5月25日、ホームゲームのヒューストンダイナモ戦でアジア系米国人および太平洋しょ島系の文化遺産をたたえる「AAPIデー(ジャパンデー)」を催した。
小東京に店舗を持つアパレルブランド「ジャパンジェルス」と3回目のコラボレーションを実施し、日本をテーマにした限定Tシャツとマフラーの販売を開始した他、ロサンゼルス日本総領事館や全米日系人博物館など日系組織がブースを設置し、来場者に向けて日本と日系コミュニティーの理解深耕に努めた。また吉田麻也選手のバブルヘッド人形がもらえる250の特待席が販売され、販売収益の一部が全米日系人博物館と南カリフォルニア日米協会に寄付された。

スタジアムの外に設置されたファンゾーンでは、私設応援団「アウトローズ(Outlawz)」が試合前のテールゲートパーティーで気勢を挙げていた。2021年にサポーターとしてアウトローズに加わったという大学生のエミリオ・ケンドルさん(19)は「僕の苗字からは想像できないかもしれないけれど、祖母が福岡生まれの日系人なんだ。ほとんど毎日、日本食で育ったんだ」と話す日系3世。もともとギャラクシーの大ファンだが、昨シーズン後半に吉田選手が加わったことには「大興奮した」と言う。「それで団長に『日本の国旗を持ってきて振りたい』と相談したら、『それよりスタンドから下げる応援幕を作ったら?』と言ってもらえたので、僕が応援幕を制作したんだ」と胸を張る。ケンドルさんが作った応援幕は日本語で書かれ、チームマスコットのコズモがサムライの格好をしている。「ダルマや鳥居を描いたのは吉田選手にアットホームに感じてもらいたかったから。僕のバックグラウンドである日本文化が、2人の日本人選手の存在を通じて皆とシェアされることは素晴らしいことだと思う」とうれしそうに話した。

2019年にアウトローズを作った団長のマニー・マルチネスさんによれば、ギャラクシーはアジア人、中米、欧州などから最も多くの外国人選手がプレーしてきたチームとして知られているという。「そういう面も好きだし、ロサンゼルスにできた最初のプロチームだし、ギャラクシーは最高。さまざまなバックグラウンドのファンが一つになってチームを応援しているんだ」と話す。130人超の会員がいるアウトローズが試合中ゴールエンドのサポーター席に陣取り、途切れることのない応援を続ける時、日本語で大きく「俺たちはここにいる」と書かれた応援幕が2人の日本人選手を勇気付けていることは間違いない。
試合は主将を務め守備の要として活躍する吉田選手と、今季加入した右サイドバックの山根視来選手が共にフル出場し、2—1でギャラクシーが勝利した。山根選手は前半41分のガブリエル・ペック選手のゴールをアシストしたり、ピンチ時に見事なゴール前の守備を見せたりして存在感を示した。来場者数は2万1707人だった。

試合翌日の26日は小東京の「ジャパンジェルス」店内で吉田選手と山根選手のサイン会が行われた、両選手は気さくにファンとの写真撮影に応じた。長蛇の列ができ予定の1時間を大幅に超えたにもかかわらず、「楽しかった」とさわやかだった。
今年ギャラクシーと3回目のコラボレーションを実施し、またサイン会に会場を提供した「ジャパンジェルス」は、14年前にオーナーのロイ・クロヤナギさんが小東京・日本村ビレッジの売店としてスタートした地元の日系を代表するアパレルブランドだ。「皆に小東京に来てもらうことが大切なので店舗販売を重視している。2選手の加入はロサンゼルスにとっても日系人コミュニティーにとっても大変に素晴らしいこと。今日は2人を小東京に迎えることができて大変うれしい」と話した。 (長井智子)



