100年ぶりにフランス・パリで繰り広げられている五輪。開幕式は史上初めて、競技場の外セーヌ川で行われるということで楽しみにしていた。開始前に雨が降り始め心配する中、船に乗った各国の選手が次々に勇姿を現した。国によって選手団の規模が異なるため船のサイズは選手の数に合わせていて、小さな船は思わず拍手を送ってしまうほどかわいらしかった。
われら日本がなかなか登場せずやきもきさせる中、93番目にようやく登場。大きな日の丸に感動する半面、知っている選手が数人しかおらず、自分の勉強不足を恥じた。どの国の選手も激しい代表争いを制してパリに来ただけに、オリンピアンとしての誇りと喜びが表情に満ちあふれていて感動した。
一方で、凝りに凝ったエンターテインメントの演出には賛否両論もあった。フランス革命で処刑された王妃マリー・アントワネットが抱える斬首に驚いた人や、パロディーと思われる奇抜な格好のキャストを使った最後の晩さんのシーンはキリスト教信者を憤慨させ物議を醸したが、ホスト国が伝えたかった表現だと尊重し理解してほしい。
仕事中も五輪が気になり、ついついテレビを見たり、ネットで結果を確認してしまったりする。夜遅くまで生中継を見て寝不足になる人もいて、私生活に影響が出るほど熱心なのは五輪ならでは。競技が始まる前はドジャース大谷の人気が抜きん出ていたが、主役は五輪選手に変わっている。
パリでは日本選手の活躍が著しい。金メダルの数では柔道で量産したため、7月30日まで単独首位を維持した。スケボーのストリートは、女子は惜しくも表彰台独占は逃したものの14歳が金、15歳が銀、そして男子は五輪連覇を果たし、本場米国に申し訳ない気持ち。日の丸を掲げたり、羽織ったりする光景に愛国心を感じた。まぶしく輝くメダルと笑顔の陰で、女子選手の号泣は目を覆いたくなる。
熱戦に水を差す一幕もあった。誤審と思われる疑惑の判定だ。柔道で日本選手が絞め技で負けたり、日本男子バスケはフランス戦での試合終了間際、不可解なファウルを取られ逆転を許し敗れたりした。暗い影を落とす判定には改善が必要。
100年ぶりのパリの熱い闘いは、11日まで続く。(永田 潤)
