2023年にカリフォルニア州で報告された憎悪犯罪事件は、全体では2022年の2120件から7.1%減少し1970件になった一方で、LGBTQ+やユダヤ人、イスラム教徒のコミュニティに対する憎悪犯罪は増加しており、今も多くの人々が標的となっている。

ボンタ氏は憎悪犯罪や事件に対抗するため、各地の法執行機関やパートナーに対し、報告書で強調されているリソースを再検討し、行動を起こすことを改めて約束するよう求めている。ボンタ氏は「2023年に憎悪犯罪が全体的に減少したのは喜ばしいが、一部のコミュニティが引き続き高い割合で標的となっていることは憂慮すべきだ。誰か1人を攻撃するのは州民全員を攻撃するのと同じこと。カリフォルニアでは憎悪犯罪は許されない」と述べた。さらに、同氏は「偏見と闘い、安全なコミュニティを作るためには、州民それぞれに果たすべき役割がある」とし、データと利用可能な情報を見直し、憎悪犯罪に対抗するために団結することを今一度心してほしい」と述べた。また、「カリフォルニア州司法省は憎悪に対してゼロトレランス(容認しない)方針である。教育、予防、法の執行を通じてコミュニティの安全を守るために、執行機関、政治家、コミュニティ組織と連携して活動を続けていく」と強調した。

司法省は1995年から、州全体の憎悪犯罪のデータを収集している。州法における憎悪犯罪とは、障害や性別、国籍、人種または民族、宗教、性的指向といった特性を被害者が実際に持っていたこと、または持っていたと思われること、あるいは、それらの特性の一つでも持っている人と関わりがあることが理由の全部または一部となって行われた犯罪行為を指す。

憎悪犯罪の被害に遭ったと思われる場合は、地元の法執行機関に報告するとともに、以下のステップを参考にするとよい。

  • 危険を感じた場合は即座に911に電話し、必要に応じて医療を受ける。
  • 相手に言われたことを記録する他、関連することをメモする。
  • 危険がなければすべての証拠を保存し、写真を撮る。
  • 他の被害者や目撃者の連絡先を取得する。
  • 憎悪犯罪や事件に対応する地元のコミュニティ組織に連絡する。

憎悪事件との違い憎悪事件との違い憎悪犯罪の可能性も

「憎悪犯罪(ヘイトクライム)」と「憎悪事件(ヘイトインシデント)」は異なると定義されており、憎悪事件は憎悪に基づく行動や行為であるが、米合衆国憲法の表現の自由を保障する規定によって保護される場合がある。例えば、公共の場所での差別的な呼びかけ、侮辱、憎悪的資料の配布などがそれに当たる。しかし、憎悪事件が人や財産を脅かす場合、憎悪犯罪になる可能性がある。

憎悪事件は、カリフォルニア州公民権擁護部の「CA対Hate」にオンラインまたは電話で相談・報告することが可能だ。オンラインは15の言語でいつでも報告可能。電話の場合はホットライン833・866・4283(または833・8・NO・HATE)で、憎悪事件の報告と支援を提供するためにトレーニングを受けた専門エージェントと話すことができる。時間は月曜~金曜の午前9時~午後6時、200以上の言語で対応している。時間外の場合はメッセージを残すか、211に電話してそれぞれの文化やコミュニケーション、トラウマに配慮できる専門家からサポートを受けることができる。

2023年報告の特筆点

憎悪犯罪は、歴史的に見ても一般的に過小報告されており、州司法省は報告書に掲載されているデータが実際の憎悪犯罪事件の数を十分に反映していない可能性があるとしている。また、すべての機関が2023年のデータをすべて提出できているわけではないため、過去のデータと比較する際には注意が必要だとしている。

2023年の「カリフォルニア州憎悪犯罪報告書」における特筆すべきポイントは以下の通り。

  • 報告された憎悪犯罪は、2022年の2,120件から2023年には1,970件になり7.1%減少した。
  • 憎悪犯罪の件数は、2022年の2,589件から2023年には2,359件になり8.9%減少した。
  • 報告された憎悪犯罪の被害者数は、2022年の2,474人から2023年には2,303人になり6.9%減少した。
  • 人種的偏見による報告された憎悪犯罪は、2022年の1,298件から2023年には1,017件になり21.6%減少した。
  • 反黒人偏見の事件は最も多いものの、2022年の652件から2023年には518件になり20.6%減少した。
  • 反アジア偏見の事件は2022年の140件から2023年には125件になり10.71%減少した。
  • 宗教的偏見による報告された憎悪犯罪は、2022年の303件から2023年には394件になり30%増加した。
  • 反ユダヤ偏見の事件は、2022年の189件から2023年には289件になり52.9%増加した。
  • 反イスラム(ムスリム)偏見の事件は、2022年の25件から2023年には40件に増加した。
  • 性的指向に基づく偏見による憎悪犯罪は、2022年の391件から2023年には405件になり4.1%増加した。反トランスジェンダー偏見の事件は、2022年の59件から2023年には65件に10.2%増加し、反LGBTQ+偏見の事件は2022年から86.4%増加した。
  • 2022年から2023年にかけて、検察に送致された憎悪犯罪の数は、2022年の647件から2023年には679件に増加したが、このうち463件が地方検事や市の公選弁護士によって起訴された。また、463件のうち322件が憎悪犯罪として、141件が非偏見動機犯罪として起訴された。

憎悪犯罪の問題が続く中、ボンタ氏は州内の政府関係者や地方自治体の代表者、コミュニティの指導者など、そして住民に対してこれらの重要な情報を確認し活用することを呼びかけている。これには、適用される民事および刑事憎悪犯罪法を要約した最新の法執行機関向けの通達、起訴と執行を強化するためのガイダンス、および憎悪犯罪の識別と対応を支援するための20数カ国語のパンフレットと資料が含まれる。

ボンタ氏は、コロナ禍の反アジア憎悪犯罪に関する特別報告書を21年に発表し、20年の反アジア憎悪犯罪増加に関する重要な背景と分析を提供した。さらに、カリフォルニア州司法省の広範な使命を支援し、憎悪と偏見に対抗する新たなまたは継続的な取り組みを支援する「Racial Justice Bureau」を設立した。これを受け、21年からはサンフランシスコ、オークランド、サクラメント、サンディエゴ、リバーサイド、ロングビーチ、サンタアナ、サンノゼ、ストックトン、アナハイム、ベーカーズフィールド、フレズノ、アーバインなど主要都市の地元指導者との話し合いを積極的に開始した。

ボンタ氏は、歴史的に疎外されてきたコミュニティのニーズに応えることを公約としており、21年7月には全ての州民に公正を提供する取り組みの一環として、地域組織や住民と直接連携するために「Office of Community Awareness, Response, and Engagement」を立ち上げた。さらに22年6月には、州司法省の刑事法部門内で憎悪犯罪コーディネーターを任命し、州および地方の法執行機関の憎悪犯罪対策を支援している。

・23年の「カリフォルニア州憎悪犯罪報告書」はこちら— https://data-openjustice.doj.ca.gov/sites/default/files/2024-06/Hate%20Crime%20In%20CA%202023f_0.pdf
・ボンタ氏のビデオメッセージはこちら—

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