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磁針:時間は命

【朝倉巨瑞】 父の生前に訪れた能登の温泉を再訪しました。父の背中を流しながらあと何回こうしてできるだろうかと思っていましたので、同じ洗い場に座って、痩せ細った背中と目を閉じて黙って洗われていた父の表情を思い出しました。海がすぐ近くに見える露天風呂は少しぬるめで心地よく、何十分たっても湯から出ようとしなかった父の体力を心配して、そろそろ出ようかなどと言ってしまったこと。話すことがなくなると「仕事は大丈夫か?」と何度も聞く父に、「大丈夫だよ」とだけ答えたことなど、同じ空間に行くと、その時の会話を思い出しました。