新年を祝う鏡開き。右端が室井会長
新年を祝う鏡開き。右端が室井会長
 日系企業450社が加盟するJBA(南カリフォルニア日系企業協会、室井真澄会長)は、新年恒例の賀詞交歓会を17日、トーレンスのマリオットホテルで開き、500人を超える参加者が新春を祝った。室井会長は「JBAのプレゼンス向上」に意欲を示した。
VIPレセプションで紹介された書道
VIPレセプションで紹介された書道
 初の試みとして日系企業とJBAが支援を受ける行政当局や地元諸団体に感謝の気持ちを込めてVIPレセプションを開き、日系企業の地域貢献を伝えた。アル・ムラツチ・加州議会下院議員、トーレンスのフランク・スコット、ガーデナのポール・タナカ両市長、テリー・ハラ・LAPD副本部長、トーレンス統一学校区の代表などを招き、おせち料理や清酒を振る舞い、生け花、着物の展示、茶道、書道の実演、琴演奏など日本文化を披露した。来賓が祝辞を述べ、トーレンス市長は「日系246社がわれわれの市で活動し、地元への貢献は多大である」と敬意を表し、ガーデナ市長は「地方行政と手を組んだ教育支援など、地域貢献による存在感は大きい」と称賛した。
 室井会長と在ロサンゼルス日本総領事館の須賀正広首席領事は、地元日系企業の活動についてプレゼンテーションを行った。同会長は、南加が日系企業が投資する世界最大の地域だと説明し、約700社が活動、北加を含めると約1300社に上ること。南加で約5万人、加州全体では約11万3000人の雇用を創出する上、
賀詞交歓会で、新年のあいさつに立つ室井会長
賀詞交歓会で、新年のあいさつに立つ室井会長
約9割の企業が医療健康保険を提供するなどベネフィットの充実を強調した。JBAの三本柱の活動「地域貢献・地域融和」「教育支援活動」「会員サービス」を説き、日系企業の経済活動の支援のみならず、奉仕活動や寄付など地域に密着した貢献を紹介した。須賀首席領事は、日米経済の密接な関係を強調し、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の「三本の矢」―大胆な金融政策によるデフレ脱却、機動的な財政政策による落ち込んだ経済の活性化、民間投資を喚起する成長戦略による日本の再生を説明。「第4の矢」となる東京五輪による経済効果で、2020年の開催まで、日本と南加の好景気の維持に期待を寄せた。
 賀詞交歓会で、室井会長が新年のあいさつに立ち、会員満足度と、他団体との交流をいっそう深めたJBAのプレゼンスの向上に意欲を示した。「役員と常任理事とともにJBA全体で盛り上げていきたい」と今年の抱負を述べ、支援を求めた。来賓を交え鏡開きをし祝杯を挙げ、おせち料理を味わった会員は1年の活動に向けて団結を強めた。
 室井会長はVIPレセプションについて「交流を深めJBAを外にアピールし、返礼もできた」と喜んだ。同会長は、米国の経済回復に期待を込め「アメリカ最大の消費市場であるカリフォルニアで、日系企業が協力し合って盛り上げていきたい」と話した。気になる中韓企業については「良きライバル」とし、差別化を図るには「日本(製品)の持つクオリティーと信頼をさらに向上させ、サービス業では顧客志向の『おもてなし』を提供すればいい」と意見を述べた。JBAについては「会員企業の活動と会員家族のサポートなどは、いつの時代にも変わりはなく、われわれのミッションを継続したい」と抱負を語った。【永田潤、写真も】

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