「光陰矢の如し」―1年の半分が過ぎ去った。あちらこちらで開かれた新年会が、つい最近行われた感じがしてならない。花見、節分、ひな祭り、端午の節句などなど、日本の伝統行事が行われ、文化継承の重要さをあらためて思い知らされた。
 後半に入り、独立記念を祝うと、小東京には祭囃子が聞こえ出すこの時期、一気に二世週祭モードに突入する。各社中の踊りの練習や展覧のための作品作りなど、準備に大忙しで、今年も新旧融合の日本文化が紹介され楽しみだ。各県人会は、ピクニックを各地で催す。この夏、日米の間で交流が活発な二世週祭とピクニックに注目したい。
 伝統の祭りは、30年ほど前までは、グランドパレードは「押すな、押すな」の黒山の人だかりで、盛況を極めたという。だが、ここ十数年はかつての賑わいは見られず、グランドパレードは見物人が滅法減り、ルートも短縮されるなど寂しい。そんな中、数年前から日本各地の伝統の祭りを招聘することで、観客動員数を増やすことに成功している。二世週祭の復活の鍵は、日本との交流に違いない。
 高齢化が進む県人会にとって、会の若返りが急務。ピクニックは、子どもたち中心の運動会を開き、3世代が親睦を深め、若者を取り込むには格好の行事だ。次世代に期待が掛かる学生には奨学金を与え、母県を訪れる交換学生制度は、若者の日本に対する意識を高めさせ、評価したい。夏休みはまた、日米間で子どもたちが行き来できる絶好のチャンス。言葉の壁を物ともせず、大人よりもずっと適応力に長けた子どもたちは、すぐに心を通わせ、貴重な経験は将来の財産となる。
 「かわいい子には、旅をさせよ」「若い時の苦労は買ってでもせよ」などといわれるが、みなさんのお子さん、お孫さんにも、そうさせて、日本に送り出せばいいと思う。語学力の向上のみならず、礼儀や思いやりの心を身に付けることだろう。さらに、親戚に会ったり、先祖の墓参りすることで、自己のアイデンティティーを再確認し、ひと回り大きくなって帰って来るに違いない。【永田 潤】

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