記念すべき第1回の新年会に出席したいけばな教授会の会員と関係者ら
記念すべき第1回の新年会に出席したいけばな教授会の会員と関係者ら
琴の演奏に合わせ花を生ける華道奏。左から草月流の武市さん、池坊の小川さん、松風流の実藤さん、小原流の成石さん
琴の演奏に合わせ花を生ける華道奏。左から草月流の武市さん、池坊の小川さん、松風流の実藤さん、小原流の成石さん

 南加で長年活動してきた「華道教授会」と「南加いけばな教授会」が合併して昨年新たに発足した「いけばな教授会」が18日、合併後初となる新年親睦会を小東京のホテルで催した。

 新橋律翠さん司会の下、先亡者への黙とうが捧げられた後、華道教授会の宮原洋秀前会長と南加いけばな教授会の荒尾玉泉前会長がともにあいさつに立ち、「数年間、互いに話し合いを重ねついにひとつの団体として発足いたしました。長年親しんできた名前が今日限りで消えてしまうのは寂しい気持ちがしますが、これからは新しい会として、生け花を通じ日本文化を広めていきたい」と述べ、関係者に理解と支援を呼びかけた。
 両会は、長年の懸案事項であった合併について数年前から話し合いを続け、それまで1年置きに交代で主催していた二世週祭の花展を2年前から共同で開催するなどして互いに交流と理解を深め、昨年、ついに合併に至った。

あいさつに立つ正原会長
あいさつに立つ正原会長
 池坊、小原流、松風流、草月流の4流派計42教授を抱える会の初代会長に就任した小原流の正原祥風教授は、「出発点に立ったばかりの会でございますが、過去にこだわらず、皆で協力して使命を果たしていきましょう」と今後への意欲を示した。
 また日本で約10年間、生け花を習っていたという名誉顧問の堀之内サビーン総領事夫人は、「皆さまのお力により、生け花がアメリカに広がり、アメリカの人々が日本の伝統文化に深く触れることができるようになりました」と各流派の活動に敬意を示し、「(名誉顧問として)お役に立てるか分かりませんが、よろしくお願いいたします」と、流ちょうな日本語であいさつした。
 食後は、各流派の代表者が鯨岡牧鳳さんによる琴の演奏に合わせて花を生ける華道奏が行われた。琴の正月らしい音色に合わせ、小原流の成石紀子さんは、背の高い花瓶に生ける瓶花(へいか)で松、梅、葉牡丹を使い初春の生命がいきいきと立ち上がる姿を表現、松風流の実藤素水さんは、横に流れる形をした木を基盤にモダンな仕上がりにするとともに、一本高く立てた葉で力強さを表現、池坊の小川寿水さんは、松と竹、そして梅の代わりに赤のシャクヤクを用いて新年と会の船出を祝福、草月流の武市玉春さんは、1つになった会が末永く続く思いを込めて竹を使い、白のジンジャーと赤の南天でお祝いの意味を込めた。
 正原会長は羅府新報の取材に対し、「過去のことを引きずっていては時代に遅れてしまう。この日を境に、若い世代や英語の方々にも生け花をたしなんでいただけるよう、時代に合った会を目指したい」と意気込みを語り、「これからも日本文化の発信源となる日系社会に根付いた活動を続けていきたい」と話した。【中村良子、写真も】

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