「世界一安全な都市」に東京が選ばれた。これは英エコノミスト誌が発表した、世界50都市を対象にしたもっとも安全な都市ランキングだ。2位がシンガポール、3位が大阪となった。
 調査は道路の質や災害時の被害状況をもとにインフラの安全性や、医療、デジタル、個人の安全性をもとに評価。上位10位中、日本の2都市がランクインした。
 日本に帰国するたびに驚くのが、女性の夜のひとり歩き。米国でははほとんど見かけない光景だ。
 アメリカでもっとも上位にランクインしたのが10位のニューヨーク。ほかサンフランシスコが12位、シカゴが16位、当地ロサンゼルスは17位だった。
 インフラの安全性には道路の質も評価対象になっている。米国にいて思うのが日本の道路整備における優れた技術力だ。日本では雨が降っても道路に大きな水たまりが出来ることはない。だが米国、特にLAではでこぼこした道が多く、運転していて危ないと感じることもしばしば。道路の舗装整備はビヤライゴーサ前LA市長時代からの課題となっており、ガーセッティー現市長にも引き継がれている。
 日本のインフラの安全性は、東日本大震災後、その復旧の早さで世界から一目置かれた。マグニチュード9の衝撃はさすがに現代の道路建設技術でもかなわない。常磐道では成人男性ほどの深さの断裂ができた。しかし日本の技術力のすごいところは、わずか6日で150メートルにわたる断裂を修復し、元の状態に戻してしまったことだ。この早さ、底力に世界中が度肝を抜かれた。
 震災時に暴動が起きない国民性も海外から高い評価を得た。こうしたことから「安全な国」という認識が広く定着していったのだろう。
 2020年には東京オリンピックが開催される。開催理由にも東京の安全性、治安の良さは強いアピールになった。
 オリンピックでの訪日外国人旅行者数の目標は2000万人。日本の2大都市がランクインしたことで、安全性を武器に今後もさらに日本の良さが海外に広まることを願う。【吉田純子】

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