FBIに起訴されたポール・タナカ氏
FBIに起訴されたポール・タナカ氏

 連邦捜査局(FBI)は14日、前ロサンゼルス郡シェリフ局次席局長で、現ガーデナ市長のポール・タナカ氏と、前シェリフ局キャプテンのウィリアム・トーマス・キャリー氏の2人を司法妨害罪の疑いで起訴したと発表した。2人は同日夜明けにウエストウッドのFBIオフィスで投降、午後に出廷しともに無罪を主張した。暫定公判日は7月7日。

 2人は、すでに訴追されている22人の現職および前保安官による郡刑務所内における過剰暴力、人権侵害、汚職に関する連邦政府による捜査を組織的に妨害し、その主導に立っていた疑いが持たれている。キャリー氏に対しては、昨年の汚職裁判でうその証言を述べた容疑もあり、2人は連邦大陪審で計5つの罪に問われる。
 14日午後、ダウンタウンの裁判所に出廷したタナカ氏とキャリー氏はともに無罪を主張。タナカ氏はダイヤモンドバーに所有する5万ドルのコンドミニアムを、キャリー氏は10万ドルを納め、それぞれ保釈手続きを終えた。
 同日午前に記者会見を開いたFBIは、「タナカ氏はシェリフ局内で不法行為を組織化する大きな役割を担っていた。このケースは、汚職文化を助長し、それを隠そうとするリーダーたちも、部下同様、責任を負わなければならないことを示すいい例となる」と語気を強めた。
 起訴内容によると、タナカ、キャリー両氏は、郡の刑務所内の問題行為、受刑者に対する過剰な暴力、不適当な内部調査を把握していたにもかかわらず、タナカ氏が刑務所勤務に配属された保安官に違法すれすれの行為をするよう指示したほか、45人いる内部調査員を1人にすべきだなどとしていた疑いがもたれているという。
 タナカ氏は2005年からガーデナ市長を務め、13年3月にシェリフ局次席局長職を退職、翌14年のシェリフ選挙に立候補したものの、前ロングビーチ市警察本部長のジム・マクドネル氏に敗れた。

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