日本からの初参加が、祭りに新風を吹き込んだ。東北6県の代表的な伝統の祭りを紹介する「東北六魂祭」で、各県は東日本大震災の支援に渾身の力を込めた演技で感謝の意を表現するとともに、復興を遂げつつある東北の食や風俗、名所など魅力を紹介し「ビジット・トウホク」などと呼びかけ、観光大使としての役目も果たした。鹿鳴家英楽一門11人による英語の落語は、日系人を中心とした客を笑いの渦で包んだ。
グランドパレードは、夜に映える「ねぶた」の運行に合わせ夕刻スタート。日系社会の発展と日米関係に寄与する約140の個人と団体がゆっくりと練り歩いた。序盤は、祭りの名と同様に二世の退役軍人が勇姿を見せ見物人を喜ばせた。グランド、パレード両マーシャル、インスピレーション賞の2受賞者、地域団体7表彰者、パイオニア賞の6人の受賞者、日舞の各社中などが姿を表わすと、鈴なりの観衆から大きな声援が送られた。
グランドマーシャルの福島系3世のロイ・ヤマグチさんは、81年の伝統を誇る同祭について「苦労した1世と2世が遺してくれた日系社会の宝物。この財産の重要性を若者に教え、継承しなければならない」と強調した。ヤマグチさんが期待を寄せる若者を代表する新女王サラ・クニコ・ハッターさんは「先人の遺産であるすばらしい祭りを、われわれ若者がより若い世代へと伝え、守っていかなければならない」と述べ、次世代をけん引する強い意志を示している。
二世週祭は、最終となる今週末の22、23の両日行われ、街頭音頭と閉会式をもって全行事を終了する。参加者は、今年の祭りのテーマ「ずっと楽しく(Let the Good Times Roll)」を最後まで実行しようとしている。