プロ野球界で、やってはならない野球賭博になんと現役選手が手を出してしまった。野球協約違反を認めた3選手が昨年10月、無期の失格処分を受けたのが記憶に新しい。そして今週、新たにまた1人の賭博関与が発覚した。4人はすべて、野球少年の多くが憧れる巨人の選手だけに、ファンのショックは大きいことだろう。せめてもの救いは、当該4人が所属チームの試合に賭けることなく、また八百長に関与していなかったことだ。
 他球団への拡大や、賭博に関わった第5、第6の選手が表れないことを今は、ただ願いたい。賭博行為の代償はあまりにも大きく、球界復帰はまず不可能だという。でも違反を犯す前までは、立派な選手だっただけに、第2の人生をしっかりと歩んでもらいたい。
 その4人目は、自身の身を守るためだろうが、本人の希望で謝罪会見を開いた。涙ながらに過ちを詫び、深々と頭を下げたところで後の祭り、自業自得と思ったが、うそをつき通した間、「びくびくしていた」ことを聞くと、同情もする。告白で、賭博相手を「すごく怖く、恐ろしい人」としたのは、公表後に何度も電話をかけられ、応答しないと、家族にまで連絡したしつこさからだ。「最初はすごくいい人と思っていた」というから、闇の世界の恐ろしさを思い知らされた。
 残念なことに世界のスポーツ界には不祥事があり、アメリカの女子テニスでは今週、トップ選手が、「重大発表がある」と記者会見を開く前日に知らせ、引退か? と騒がれたが、ドーピング違反だった。当人は知らずに摂取していたようで信じたく、他のトップ選手の間からも擁護する声が聞かれる。端麗な顔立ちで人気の選手だけに、コートに戻ってきてもらいたい。
 今年は、4年に1度のオリンピックイヤー。開幕が5カ月後に迫り、各国の代表争いは佳境に入っている。ただ、サッカーでメダル獲得が期待された、なでしこが出場権を逃したのが、日本には痛手。リオデジャネイロ五輪は、盛り上がること間違いなし。ドーピング違反が1人も出ない、きれいな大会で熱戦を演じてもらいたい。【永田 潤】

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