一時身柄を拘束され、7月29日に刑務所を出所した後、行方が分からなくなっていたパサデナ在住の日系人ゲリー・サカモトさん(71)が1日、ロサンゼルス・ダウンタウンで遺体となって発見された。

 遺族によると、サカモトさんはうつ状態を繰り返す精神疾患の双極性障害を患っており、認知症の疑いもあったという。
 最初にサカモトさんは28日夜、アルツハイマー病の治療薬を摂取せず自宅を後にした後、行方が分からなくなった。
 翌29日早朝にサンゲーブルバレーのフリーウエーで交通事故を起こし、飲酒運転の疑いでカリフォルニア・ハイウエー・パトロール(CHP)に身柄を拘束された。
1 LA郡シェリフ局によると、その後サカモトさんは同日午前8時02分にLA市ダウンタウンにあるメンズ・セントラル刑務所に収容され、同日午後7時36分に釈放された。
 しかし釈放されてから3日後の1日、刑務所から徒歩わずか10分の距離の場所で遺体となって発見された。パサデナ市警察によると、事件性はなく、検死が行われるかどうかは未定だいう。遺族によると、サカモトさんは現金も携帯電話も所持していなかったという。
 LA郡シェリフ局は声明で、「釈放後は自宅に帰るための手段や身元引受人を待つため、最大16時間は待機できることになっているが、サカモト氏はその申し出を辞退しており、また特別な処置や補助が必要な場合は刑務所のInmate Reception Centerに申請する決まりになっているが、サカモト氏の場合はその申し出がなかった」としている。
 一方、ABC7によるとサカモトさんの妻ジェーンさんは刑務所に電話をかけサカモトさんの病状を伝えようとしたが、オペレーターに6〜8時間後にかけ直すよう告げられたという。
 娘のミンディー・ブリンクさんは、「最初にCHPに身柄を拘束された際も、父が飲酒していたとは信じがたい。考えられるとすれば治療薬を摂取していなかったのが原因で事故を起こしてしまったのではないかと思う」と話している。サカモトさんが身柄を拘束された際、CHPが血中アルコール含有量を図る検査を実施したか否かは分かっていない。
 サカモトさんの息子のジェイソン・サカモトさんは「もし刑務所が父の病状をきちんと把握し真剣に受け止めていたら、このような事態にはならなかったかもしれない」と話している。

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