自分好みの味で食べる
広島の「ソウルフード」
安価でヘルシー、具だくさん
ちんちくりんのお好み焼きは、小麦粉を水で溶き、薄く伸ばして焼いた生地の上に、魚粉、キャベツ、揚げ玉、ネギ、もやし、薄切り豚肉、焼きそば麺、タマゴのそれぞれの具を順に載せ、大きな鉄板で焼く。
生地と具を混ぜ合わせて焼く大阪のお好み焼きに対し、数種の具を重ね合わせ「レイヤー」にするのが特長。レイヤーは幾重で分厚いため、調理は技量を要する。それぞれの具の食感を残し、うまさを引き出すのは、職人の技の見せ所。微妙な焼き加減が、うまさを左右するという。具材により調理に適した温度が違うため、具を加える度に、お好み焼きを温度が異なる鉄板にスライド(4回)させ、1枚約15分で焼き上げる。
客は調理する必要はなく、ビールや酒を飲みながら鉄板メニューやおつまみを食べて待つだけ。お好み焼きは、ランチ11ドル、ディナー12ドルから。飲み物は、ソフトドリンクにビール、地酒、焼酎、チューハイ、梅酒、ワインを取り揃えている。
メニューは、お好み焼き、広島つけ麺、広島汁なし坦々麺を「三本柱」とする。鉄板焼きメニューを約40種用意したが、この三本柱だけで、予想した売上げを上回ったという。昨年末にソフトオープンし、宣伝はまださほど行っていないというが、テーブルとバーを合わせた約40席を埋め繁盛した日もあり、滑り出だしは上々。川上社長は「6組、7組待ちの時があった。うれしい誤算」と語る。「安価でヘルシーな広島の『ソウルフード』を食べに来てほしい」と願っといる。
飲食業と鉄板販売を両立
多店舗展開、まず南加から
飲食と厨房機器の業績はともに伸び好調で、双方の売上げは同じくらいだといい、米国での事業展開も同様の業容で臨む。「二足のわらじ」について村竹副社長は「他の店のデザインも行いたい。そして、うちの最新の設備を導入し、開店した店にお客さんに来てもらって食べてもらうのが目的」と説く。
ソースは、同じ広島を拠点とする「オタフクソース」社製を使用する。ケーツーエス社は日本で、オタフクソースの顧客に開業アドバイスや店への設備導入を行っており、過去10年で約1000店(お好み焼き店は全国で約1万8000店)を請け負った実績を誇る。米国でもこの良好なパートナーシップを維持するといい、村竹副社長は「お好み焼きが売れれば、ソースが売れ、鉄板も売れる」という相乗関係を強調する。「ウチの店で、お好み焼きの研修を受けたお客さんに、どんどん店を出してもらって、みんなで店舗を広げていきたい」と希望する。オタフクフーズ社の小澤孝充社長は、両社の関係を「ウィン・ウィン」と表現し、二人三脚での成功を期す。「広島の文化を広める」という思いも一致したという。
「ちんちくりん」ソーテル店
2119 Sawtelle Blvd.
Los Angeles, 90025
310-478-0521
Lunch 11:30-14:00
Dinner 17:00-23:00
Close / Tuesday
chinchikurin-usa.com