それによるとジャンセンさんは昨年秋、家族とともに日本を旅行し、大阪大学の施設へ赴いた。アルツハイマーの患者などが居住する介護施設を見学し、日本の介護サービスのあり方、施設の特徴などを大いに学んできたと言う。
「カリフォルニアのような屋外エリアこそないものの、さくらガーデンズと日本の施設はほぼ変わりないものだった」との感想を伝え、「この5カ月間、居住者の方には心配をかけたが、これまでのサービスと変わらないものを提供するので、どうかご心配なく」と告げると、会場からは拍手が送られた。
在ロサンゼルス日本総領事館から来賓として訪れた日系担当領事の菊間茂さんは、正月の華やかな飾り付けと生け花、琴が並ぶステージを見渡し、「日本の正月よりも日本らしい」と感心したようすで語った。
居住者協議会会長の津嘉山春子さんの音頭による乾杯の後、お正月スペシャルエンターテインメントと題し、琴、詩吟、日本舞踊、草笛、詩の朗読が次々と披露された。津嘉山さん、荒木多寿枝さん、高橋悦子さんによって琴が奏でられ、「荒城の月」など3曲の美しい音色が響き渡る。
剣舞は池部剣水さんによって力強く、日本舞踊は若柳久女さんによって優雅に舞われた。
最後は渡慶次ヘレンさんの伴奏による「お正月の歌」。居住者代表の津嘉山さんより感謝の言葉が告げられ、小西さんの閉会の辞でパーティーは幕を閉じた。
おせち料理と紅白饅頭はKeiroからの寄付。風月堂からは餅が、喜田英夫さんからは日本酒が振る舞われた。総勢約15人のボランティアは37あるテーブルの間を忙しそうに移動し、参加者の食事の手助けをした。
居住者の1人、木山オビさん(93)はパーティーの後友人のいるテーブルを訪れ、新年のあいさつを交わした。「入所してしばらくは勝手がわからず苦労したが、今ではここに入って良かったと思っている。料理もおいしく楽しいパーティーだった」と満足そうに語った。