ロサンゼルスのエリック・ガーセッティー市長は19日、2018年―19年度の予算案を発表した。今年度よりおよそ8億ドル増となる99億ドルの来年度予算案は、同市で深刻化するホームレス対策費が今年度からおよそ2倍に拡大。市内の歩道や車道の修復、交通安全の向上にも重点を置いた予算案となった。【吉田純子、写真も】

 同市の17年のホームレス人口は前年より20%増の3万4千人に膨れ上がった。こうした事態を受け、ガーセッティー市長はホームレス対策関連予算を今年度の1億7850万ドルから4億2900万ドルに大幅に拡大すると発表。支援住宅や緊急臨時シェルター、各種支援サービスの提供などに着手する。
 ホームレス関連予算の50%以上は16年11月の住民投票で承認された「提案HHH」から捻出。「提案HHH」は12億ドルを投じて向こう10年間でホームレスの住宅や支援施設の建設を実施する計画。「提案HHH」は同市予算の一部としてではなく、公共事業で必要となる資金を民間から調達する手段として発行されるレベニュー債(レベニューボンド)でまかなわれる。
 16日に行われた施政方針演説でも同市長は、2千万ドルを投じてホームレスのための緊急用臨時シェルターを市全域に設置する意向を示していた。
 さらに市内の歩道や車道の修復工事を実施し、新たな歩道設置に今年度比1千万ドル増の4100万ドル、道路の補修工事に今年度比4340万ドル増の7340万ドル、道路整備には今年度比1640万ドル増の1億4780万ドルを投じる。
 25年までに交通安全の向上を図り、交通死亡事故を減らすことを目的とした「ビジョン・ゼロ」は今年度の2700万ドルから9100万ドルに大幅に増えた。
 また150万ドルを投じて自動運転車の導入を進める。
 一般会計は前年度の58億ドルから61億7千万ドルに増え、売上税や固定資産税、ホテル税などの税収は5・6%増になると見込んでいる。

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