海外からの観光客の増加で、しぼんでいた日本のトイレットペーパー需要が、予想外に伸びたとのこと。世の中はデジタル化の真っただ中でペーパーレスに移行中だが、予期せぬことで転機が訪れることがある。
 アメリカに住み始めてから少し経った頃、『これは日本と違うな〜』と思ったのが紙ナプキンの設置率。ファストフードから高級レストランまで、ほぼどこへ行っても自由に使える紙ナプキンが置かれていた。高級レストランではナプキンは布製のものも多いが、トイレはほとんどどこでもペーパータオルが設置されている。高級度が上がるとトイレのも布製に出っくわす。
 当初気が利いていると思いつつ、使い捨ての紙ナプキンの普及率の高さは、資源の無駄使いだと思っていた。だがこれも製紙会社の重要な商品の一つで、必ずしもネガティブなことだけではない。それにプラスチックとは違い環境に優しい。
 日本に行くたびに思うのがトイレ使用後に、洗った手を拭くペーパータオルがないことだ。最近はハンドドライヤーを設置しているところが増えたが、ハンカチを持ち歩く習慣をとうの昔に忘れていて、困ったことが度々あった。
 日本のレストランでテーブル・ナプキンが置かれているのは半数程度だろうか。置かれていてもアメリカのものに比べ 薄くて小さく、数枚使ってやっと用が足せるほどのものがほとんど。置かれていなければ口の周りについた食べ物を自分の手で拭き、隠れてテーブルクロスの端で拭く人も結構多いのでは? テーブルクロスが掛かっていなければテーブルの裏側! 家庭でもほとんどのことをティッシュペーパーで済ましてしまう日本とは違い、キッチンではペーパータオル、食卓では紙ナプキンを使う状況が多いようだ。
 話を下方に戻すと、ウォシュレットに代表される落し紙無用トイレの普及で、 日本の製紙会社は大分収益が減ったことと思うが、ひょんなことが幸いして増産。オリンピックを控えて、外国人観光客の増加が予想される中、レストランなど紙ナプキンの需要を促進してみてはどうだろうか。上方修正!【清水一路】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *