日本で開催中のラグビーW杯が大いに盛り上がっているようで、長年のラグビーファンとして誠に嬉しい限りである。
 体全体黒いユニフォームでまとう世界最高峰のニュージーランド代表チームを『オールブラックス』と呼ぶのは有名だが、日本代表ラグビーチームにも愛称がある。『ブレイブ・ブロッサムズ』だ。
 W杯は87年に始まり4年ごとに行われ今回第9回大会はアジア初の開催である。出場20カ国、5チームが予選4グループに分かれ、上位2チームが決勝トーナメントに進む。サッカーの大会と異なり勝ち点の付け方が興味深い。勝ち4点、引き分け2点、負け0点。ボーナスポイントとして勝ち負けにこだわらず4トライ以上すると1点、7点差以内の負けでも1点が与えられる。すなわち負けていてもトライを狙うので、熱い戦いが最後まで繰り広げられ目が離せない。
 前回の大会で日本は初戦、初対決で強敵南アフリカを破った。『スポーツ史上最大の番狂わせ』とも言われた。しかし予選で3勝しながらも、その勝ち点の差で届かず予選突破の夢は絶たれた。
 ラグビーには国ランキングとは別に、強さ、伝統、格を考慮した階級グループが存在する。ティア1はトップ10カ国で形成され、日本は一つランク下の中堅国チームが集まるティア2に属する。
 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ率いる今大会では、ティア1の強豪アイルランドとスコットランドを撃破。見事4連勝無敗で目標を掲げていたベスト8進出を初達成。ティア2のチームが予選グループトップ通過は史上初だ。1995年の第3回大会では、オールブラックスに145対17の大敗を経験した。当時のその苦杯を喫した思いと比べれば、いかに大躍進したかが伺える。まさに関係者全員の努力の賜物だ。
 感動の勝利で、多くの人たちに勇気と希望を与え続けている『ブレイブ・ブロッサムズ』。
 今週末の対戦相手が、あの南アだ。大会直前9月の壮行試合では、日本は大差で敗れ対戦成績が1勝1敗の互角となった。さあ因縁の決戦だ。ライブ中継をLAで見るには夜中の3時頃開始である。寝不足の週がさらに続くのは全く構わない。【長土居政史】

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