顧問の西元和彦さんの発声で乾杯する参加者。左から3人目が山下さん
 南加で活動する県人会の中で最古の歴史を誇り昨年、創立120周年を盛大に祝った鹿児島県人会は1日夜、ガーデナの中華料理店で今年度総会と親睦会を催した。2年目留任が決まったマーガレット宮内会長は会員の増強に意欲を示し、親睦会では参加者80人が親交を深め、新人16人の入会を歓迎した。

あいさつに立つ宮内会長
 総会前には、招待されたカルバーシティーのエルマリノ・ランゲージスクールで学ぶ小学2年の児童11人が日本の歌「みんなでうたおう」と「翼を下さい」の2曲を合唱した。同校はカリフォルニア州の指導要領に沿って教える特異なイマージョンプログラムを持っている。2言語を同時学習し、英語を母国語とする児童と日本語を話す児童が一緒に授業を受け、英語と日本語両方の言語で各教科の学習内容を学んでいる。児童は幼稚園の時から日本語を習っているためうまく話し、歌う前と後にはお辞儀をして日本語でていねいにあいさつし、会場からは温かい拍手が送られた。
 宮内会長があいさつに立ち「今年もよろしくお願いします」と協力を求め、会員は大きな拍手で全力サポートを誓った。宮内会長は120周年の記念行事を成功に導き、会員の高い支持を得ている。会長は就任1年目を振り返り、県人会の活動はもとより、県人会を代表し県人会協議会の諸行事や懇意にする他の県人会の行事、冠婚葬祭に出席して「有意義な活動ができた」と胸を張った。鹿児島県人会の活動について「皆さんの活動への参加で成り立っている」と力説し、県人会最大行事のピクニックをはじめ、各行事への積極的な参加を呼びかけ「健康で楽しみましょう」と呼びかけた。会員増強に意気込み「これが私の今年最大の目標。誰か友達に鹿児島出身者がいれば紹介してほしい」と勧誘を促した。
鹿児島ファンデーションの活動を説明する山口弘会長
 新会員10家族16人が紹介され、大きな拍手で歓迎を受けた。120周年の式典に初めて参加した山下倫史さんは、これが2度目の行事参加。鹿児島県姶良市出身で渡米して16年、加州に移り住んで4年が経ち、病理医としてシダーズ・サイナイ病院に勤務している。入会のきっかけは、ともに同郷人でカリフォルニアで偉大な足跡を残したワイン王・長澤鼎と「カリフォルニア移民の父」と称される内田善一郎に敬意を表した上で「日本人がアメリカで頑張って県人会を作り、それが120年も続いていることがすごい」と感銘を受け、顧問の岩下寿盛さんに連絡した。岩下さんから、自身と小、中、高校が同じで実家が2ブロックしか離れてない会員がいると知らされ驚いたという。この日は妻の布美さん、長女の花奈さん(8)と参加し、今後のイベントに家族全員で参加することを楽しみにしていた。
 会員子弟を鹿児島にへ派遣する研修プログラムを運営する「鹿児島ファンデーション」の山口弘会長が、奨学制度について説明した。ファンデーションは元々、県人会の中で活動していたが独立し、2012年から一昨年までに大学生を中心に13人の子弟を鹿児島へ送った実績を持つ。研修費用はファンデーションが全額負担するが、昨年は応募者がなかったため、今年の応募に期待を寄せ協力を呼びかけた。一昨年、鹿児島で催された第1回鹿児島県人会世界大会に参加
輪になって小原節を踊る参加者
した際に、東京、大阪など各地の鹿児島県人会からの参加者に活動を説明したところ「いいアイデアをもらって協力を約束された。発展させたい」と意欲を示した。ファンデーションで会計を担当する大原義文さんは活動報告を行い、会員の多額な寄付に謝意を表した。
 顧問の西元和彦さんが音頭をとり、薩摩特産の焼酎などで乾杯。食後はラッフル抽選会や会員による息の合ったデュエットを聴いて楽しんだ。最後は毎年恒例で、郷里の小原節を輪になって踊り盛り上がった。
 宮内会長は、親睦会について「会員皆が打ち解けて楽しんでもらうことができてよかった」と喜んだ。今年の活動については「今日のようにうまくやっていきたい。新規会員を増やして、活気づけたい」と抱負を述べた。【永田潤、写真も】
踊りの輪をリードし会を盛り上げる宮内会長(右)

日本の歌を元気よく合唱するエルマリノ・ランゲージスクールの児童11人

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