バチャール・フェスティバルで炭坑節を踊り、参加者をリードするメンバー
 ベニス日系コミュニティーセンター(VJCC)は、メンバーや近隣住民の安全と健康に配慮し、昨年3月から施設での活動や利用を見合わせた。州全域で新型コロナウイルスの感染対策として自宅待機命令が発動される数日前のことだ。センターが閉鎖されたため、VJCCのボランティアたちは、特に高齢者や若者のためにソーシャルディスタンスを確保したクラスやプログラムを提供すべく、急きょ対応に追われることとなった。

VJCCのバーチャル・イベントの動画制作をしたルーク・ウエダさん。コロナ禍で会うことができなメンバーの絆をつないでいる
 VJCCの委員会が行ったZoom会議で、代表者は中止となった「2020 VJCC夏祭り」の代わりに、バーチャルイベントの開催を検討。委員会の思いを実現するために、動画制作を担当することになったのがルーク・ウエダさんだ。ウエダさん自身も、子どものころからVJCCで文化や美術、武道、スポーツプログラムに参加した経験を持つ。
 短期間で、しかも全く新しいイベントに取り組まなければならない重圧やストレスにも負けず、冷静にプロジェクトを進めたウエダさん。撮影、インタビュー、過去の写真や資料の収集、そしてVJCCメンバーのあいさつや、歌、踊り、運動など何百もの映像を撮影・編集し素晴らしい動画を制作した。「2020 VJCC バーチャル・フェスティバル」の動画は、ウェブサイト(vjcc.com)から閲覧可能だ。
 パサデナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインでプロダクトデザインを学んだというウエダさん。「バーチャル・フェスティバル」での経験を通じ動画制作の才能が開花。現在、フリーランスのカメラマン/ビデオグラファーとして活躍しており、映像や写真を通して珠玉のストーリーを生み出している。また、現在、父親のケルビンさんが経営する配管会社「JO-MI Plumbing and Solar」の業務も手伝っているという。
 余暇の楽しみは釣り。車で往復7時間かけ、イースタン・シエラまで日帰りで釣りに行くことも。毎年恒例の家族旅行ではリーダーとして活躍。おいやめいに釣りを教えるのも楽しみの一つだという。
麻雀を楽しむシニアメンバー
 VJCCは、ウエダさんおよびバーチャル・フェスティバル実行委員会のメンバーに対し、コロナ禍におけるバーチャルイベント開催が、人々にとって「かつての日常」をしばし体感する機会となったこと、そして何よりも多くの喜びを与えてくれたことに、深く感謝の意を示している。VJCC年次総会による毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」では、ウエダさんを選出。過去4年間にわたり、写真・ビデオ撮影を通して、ゴルフトーナメントや夏祭りなど、VJCCの地域社会への取り組みに貢献した活動を表彰した。中でも、「バーチャル・フェスティバル」の映像は、そのセンスと技術のみならず、VJCCが掲げる日本人および日系人の文化継承・共有・促進を表現した作品として、高く評価されている。 【訳=砂岡泉】
リモートでバチャール・フェスティバルを開き、合唱するメンバー。離れていてもメンバーの心は一つだ

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