「串だんご」の命名は「世の中を五七五に丸め、1本筋を通す、味わい深い和菓子ほどの趣旨だ」と説く関氏は、2018年発行の第3刊に続き、新型コロナウイルスのパンデミックの中で第4刊を発行し「今後ともアメリカの地で、日々、川柳力を発揮して元気に生き抜いてまいりましょう」とエールを送っている。まるくて食べやすくてほっこりする米国在住者の川柳を、共感を感じながら味わうことができる。
川柳作品のほか、後藤英彦氏と関氏の寄稿3編が収録されている。関氏の「『羅新川柳』の黎明期紹介」では、20世紀初頭、日本人の北米移民が始まった頃の1910年(明治43年)に初めてワシントン州で川柳句会が催されたという北米日本人の川柳の歴史をひもといている。過去の川柳を収集研究した成果に基づき、時代を映す川柳作品を小気味よく並べながら、戦前の日本人を描写している。川柳に課題(テーマ)はつきものだが、「ジュー」(ユダヤ人の蔑称)という、変わった出題で詠まれた貴重な川柳も。現代では考えられないが当時は日常用語だったようだ。
「串だんご」の問い合わせは、関さんまで。
Sunny Seki
610 E Marshall St,
San Gabriel, CA 91776
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