今回の東日本大地震は日本では観測史上最大とか、目を覆うようなテレビ映像に体が震えた。一方、日本人をも巻き込んだニュージーランド南部地震から既に3週間経った。そんな中で、現地クライストチャーチに住む多くの心ある地元民や日本人永住者による献身的で積極的な支援活動があったという、心あたたまる話題に接したのでここにご紹介したい。
 大地震直後、東京に住む私の友人のSさん(女性)に震源地近くに住むSさんの親友キャンベル和美さんからEメールが届いた。そこには現地の惨状が記され、自分たちも困っている日本人を探し、家で暖をとり、休んでもらおうと夫婦で出かけ、被災した多摩大学生(8人)と教諭(1人)を自宅へ案内し、翌日、無事帰国を助けたという。その後、キャンベル夫妻は、NHKの衛星放送で富山外国語専門学校の被害者の多さを知り、その学校のHPにアクセスしたが、なんらかの理由でHPは閉じられ、アクセス不能だった。そこでキャンベル夫妻は、日本(東京)に住むSさんに富山外国語専門学校へ連絡をとってもらい、夫妻の支援申し出を伝えたそうだ。混乱状態下にありながら富山外国語専門学校の電話窓口の応対は極めて丁寧、適切だったという。Sさんの伝達に対し学校長から被災地で救済された1人で、現地の引率者でもある亀遊先生の携帯電話番号を聞き、翌日から、キャンベル夫妻は亀遊先生と連絡をとり、被災者とその家族、レースキュー隊のお世話をしたりして今も現地でサポート活動を続けているという。
 ところでそのキャンベル夫妻だが、彼らも昨年9月に発生した地震で自営するレストランが大きな被害をうけていたのだという。ただ今回は、奇跡的に店も住まいも被災を免れたとのことだった。名も知らぬ日本人被災者へ食料や水、宿を提供してくれたキャンベル夫妻に、深甚なる敬意を表したい。また、今回は情報収集や連絡のツールとして活躍した携帯電話やインターネットの力も再確認した。Sさんも素晴らしい友人を持ち幸せものだ。【河合将介】

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