米国地質調査所(USGS)はこのほど、アラスカ沖にマグニチュード(M)9・1規模の地震が発生したと想定した場合、加州に津波が到達するまでの数時間に観光客を含む約75万人が避難を強いられ、津波による被害額は80億ドルにも上るとの調査結果を発表した。
今回の調査は、1964年3月27日にアラスカ沖で発生したM9・2の地震および津波から50年を記念し、2014年3月27日に同規模の地震が発生した場合を想定して発表された。1964年の地震で発生した津波では、サンフランシスコの北に位置するクレセントシティーで10人の死者を出している。
USGSは、加州在住者にあらためて津波のリスクを理解してもらい、沿岸地域在住者などは再度、家族らと避難経路の確認などをするよう呼びかけている。
調査結果よると、津波はアラスカ沖での地震発生から4時間以内に北加クレセントシティーに到達し南下、北加到達から2時間以内にはサンディエゴの沿岸部に到達するとしている。
津波の高さは北加で10から23フィートにもなり、南加では3から10フィートを記録すると予測。被害を受けやすい地域として、マリナデルレイ、ロサンゼルス港、ロングビーチ、ニューポートビーチ、シールビーチ、ミッションビーチなどといった低地にある沿岸地域を上げた。
津波は海につながる川を逆流し内陸部にも到達する。これらの浸水被害により、少なくとも8000人が家を失うとともに、観光客9万人を含む計75万人が地震発生から数時間以内に避難を強いられるという。
USGSによると、大きな断層がある加州では、長年にわたり地震に対する調査や対策は取られてきたが、津波に関しては遅れていると指摘。2004年のスマトラ島沖地震による津波や、2011年の東日本大震災以来、調査範囲を広げ、津波対策にも力をいれている。
その他詳細は、USGSのホームページでも確認できる。アドレスは―
http://www.usgs.gov/