拓殖大学学友会ロサンゼルス支部による研修生2人の歓迎会。前列左から2人目が八木澤さん、右隣が古谷支部長、右から2人目が大澤さん
拓殖大学学友会ロサンゼルス支部による研修生2人の歓迎会。前列左から2人目が八木澤さん、右隣が古谷支部長、右から2人目が大澤さん
 拓殖大学学友会ロサンゼルス支部(古谷寿人支部長)は、本学から現役2学生を招いた第1回「ロサンゼルス研修プログラム」をこのほど実施した。参加した大澤拓也さん(商学部会計学科)と八木澤麻理さん(国際学部国際学科)は、8日間の滞在で、各所を訪問して貴重な経験を積み、先輩会員が期待を寄せる「海外雄飛」のための国際感覚を養った。

 プログラムは母校拓大の建学の精神に基づき、同支部が当地で昨年まで継続した桜の植樹事業に次ぐもので、次世代育成を目的とし今年初めて行った。渡米歴がない1年生2人を募集し、参加者の往復の航空運賃と滞在費はすべて支部が負担する。
 会員宅にホームステイした2人は、会員が経営または勤務する会社や日系企業を訪問したり、全米日系人博物館、UCLA、クレアモント大を見学した。サンディエゴにも足を伸ばし、UCSDを訪れ学生と交流するなど精力的に日程をこなした。
 日系人博物館では、ほとんど知らなかったという移民史を学んだ。大澤さんは「差別を受けても挫折せずに、協力して乗り切ったのがすごい」と称賛。八木澤さんは、強制収容所について「当時の写真や復元されたバラックを見て、劣悪な生活環境がよくわかった」といい、日系兵については「日本人であるにもかかわらず、アメリカに忠誠を誓い、志願して戦地に赴いたことに驚いた。昔の人はすごい、今の時代では考えられない」と感銘を受けた面持ちで話した。
 「海外は初めてなので、アメリカの生活様式を知るのが楽しみだった」という大澤さんは、国際公認会計士を目指し将来は「開発が進んでいるアジアよりも、アフリカに行って後進国の発展の手助けをしたい」という大きな夢を抱く。八木澤さんは、フィリピンでの英語留学時に現地女性が行った社会活動への献身に心を打たれてから、海外志向を抱くようになったという。将来は国際線の客室乗務員を志すが、同研修に参加したことで「アメリカで暮らして、働き暮らしたくなった。夢が変わったかもしれない」と、心が揺れるほどLAが気に入ったという。
 今回世話になった支部の会員からは、渡米して裸一貫から始めた苦労話からビジネスの成功まで、さまざまな個人体験を聴いた。また、拓大卒業生としては、学友会支部を結成し、母校への恩返しや地元での奉仕による社会貢献を果たす姿も刺激になったという。これらの先輩の活躍について、大澤さんは「いつまでも拓大を誇りに持っている。自分もアフリカで学友会支部を設立したい。アフリカで絶対に成功させ、拓大に戻って講演ができるほど大きくなって後輩を元気づけたい」と意気込む。八木澤さんは「同じ拓大で学んで、1人で渡米し、仕事をバリバリこなしているのを間近にみて、将来はそうなりたいと思った」と、新たな目標を立てた。2人はプログラムについて「貴重な体験をさせてもらい、有意義な毎日だった。面倒を見てもらった先輩たちに感謝したい」と口を揃えた。研修で収めた成果を大学に戻って伝えるとともに「将来に役立て、立派になって恩返ししたい」と誓った。
 支部長の古谷さんは、研修生2人について「アメリカ人とちゃんとコミュニケーションをとっていた。今の若者らしくシャイではなく、興味津々で普通に話しているので感心する」とたたえた。将来が嘱望されるとし「世界に出て国際人になってもらいたい。そして日本のよさや日本の文化を広めてほしい」とエールを送った。
 学友会LA支部は現在40人が在籍し、新年総会と忘年会を開いて親睦を深めている。桜植樹の事業は、ラハブラ市の公園に10年間で100本を超える成果を挙げ、昨年終了した。新事業の研修プログラムを開始した今年は、支部設立50周年記念に当たることから会員は「節目の年にいいプログラムを始めることができた。これから10年間頑張りたい」と、意気込んでいる。【永田潤】

ロサンゼルス支部が桜を植えた公園を訪れる八木澤さん(左)と大澤さん
ロサンゼルス支部が桜を植えた公園を訪れる八木澤さん(左)と大澤さん

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