艶やかな衣装を身にまとい、琉球舞踊を披露する玉城流冠千会
 全米屈指の交響楽団「LAフィル」(ロサンゼルス交響楽団)の活動資金集めのための晩餐会が2日、ロサンゼルス・ダウンタウンのミュージック・センター内で開かれ、主催者を協力した在ロサンゼルス日本総領事館は、「日本」をテーマに和食や尺八演奏、琉球舞踊などを披露し、政財界関係者や日系企業、日本文化の諸団体などからのゲスト約300人をもてなした。

アジア・アメリカ・シンフォニー音楽監督のデイビッド・ベノア氏のピアノ演奏
 LAフィルは、創立1919年からの長い歴史を有する。再来年の2019年に創立100周年記念で日本公演を予定している。定期の活動は、ウォルト・ディズニー・コンサートホールと、ハリウッド・ボウルで、さまざまなジャンルの公演を行い、年間100万人以上が観賞する。また、多くの教育・コミュニティープログラムを通じ、年間15万人以上の若年層の育成に貢献しており、このたびの晩餐会の収益は、これらのプログラムに役立てられる。
 晩餐会は「LAフィル支援国際委員会」(ラバブ・アシュリー委員長)が毎年主催し、ホストを務める当地の各国総領事館が、お国自慢の芸術文化を紹介している。同委員会からの呼びかけに応えた日本総領事館は、晩餐会を日本の紹介・プロモーション、日米友好親善を広報する好機ととらえ、側面的な協力を行った。
晩餐会の会場入り口で、ゲストを迎え入れたラバブ・アシュリー・LAフィル支援国際委員会委員長(中央)と千葉明・裕子総領事夫妻
 晩餐会であいさつに立った千葉明総領事は、同ベネフィットイベントについて「開くことができ光栄であり、LAフィルを支援することを誇りに思う」と胸を張った。当地に赴任して1年間が経ち、日本と南加をつなぐ強い絆に感心しているといい「日系社会は長い歴史のルーツと、豊かなレガシーを持つ」と称賛し、その一例に小東京の名を挙げた。
 南加の日系企業が、外資系の中で、直接投資が最大であり、地域の雇用を創出していることを強調。ハリウッドに年末に開館する「ジャパン・ハウス」について、日本の芸術、文化、科学、テクノロジー、観光、エンターテインメント、食を紹介するといい「日本を見て、聴いて、感じて、味わってもらいたい」と、来場を呼びかけた。
 今年は、大統領令9066号の発令から75年、沖縄の本土復帰から45年という重要な節目を迎え、日本の和平・和解の戦後の歴史は、交戦していた期間を越えたとし「日米の2国は、人類が知る上で、最も確固たる同盟を謳歌している」と力を込めた。
 晩餐会については「『伝統の中の現代性』を楽しんで下さい」と呼びかけ、各種パフォーマンスに加え、東京五輪や東京観光、ジャパン・ハウスなどのPRビデオを流し、新旧が融合する日本を紹介した。
 サイレントオークションでは、日系の企業や文化団体から寄付を受けたアイテムが、会場を彩った。参加者は、ビジネスクラスの日本往復航空券やホテルの宿泊券、和食店の食事券、茶道具や書道の作品、着物などに思い思いの値を付けていた。
 総領事館はこのたびのイベント協力を機として、当地のみならず米国内で代表的な文化団体との関係を構築し、日米関係の深化につなげる考えを示すと同時に、日米友好親善と東京五輪・パラリンピックなど日本関連イベントの広報を積極的に進めるという。【永田潤、写真も】
千葉在住の米国人尺八演奏家、ジョン・海山・ネプチューンさんによる演奏

アジア・アメリカ・ユース・シンフォニー・ストリング・カルテットの演奏

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