まず、17日夜に在ロサンゼルス日本総領事公邸で行われた熊本による観光および県産品PRレセプション「熊本 観光と食の夕べ」を開催した。
熊本県営業部長兼しあわせ部長である「くまモン」は、公邸前に設置された写真ブースで参加者らを出迎え、記念撮影に臨んだ。
会の冒頭、千葉明総領事があいさつに立ち、続いて熊本市経済観光局の福島慎一さんが震災復興支援に対し感謝を伝えるとともに、同県の観光と食の魅力を紹介した。
中庭には、熊本の焼酎・日本酒をはじめ、同県の食材を用いた料理や、当地でも知られるチェーン店「味千ラーメン」、県特産の「南関そうめん」を紹介する「そうめん流し」などを用意し、多彩なメニューでもてなした。
同市誘致戦略室の杉本幸生さんによると、「南関町で切った(直径10センチメートルの)青竹を流しそうめん用として手持ち(機内持ち込み)で運んで来た」という。
千葉総領事夫妻もそうめん流しを体験し、流れて来る麺と格闘しながらも、楽しそうに試食した。
庭の中央には県特産の竹を用いた工芸「竹あかり」が飾られた。製作者で竹あかり演出家の三城賢士さんは、「竹あかり」について質問する参加者に作り方などを説明。毎年10月に開催されるイベントについてポストカードを配るなどして紹介した。夕暮れが近づくと竹細工の内部に電気が点灯され、いくつも開けられた穴から光が漏れ出し、風情豊かな光景が広がった。
会場の外に「Sold Out」の張り紙が出てからも次々に見学者が訪れ、三城さんは通訳を介しながら「竹あかり」について説明し、見学者は一様に感心しながら作品に見入った。
パノラマシティから家族でワークショップに参加した杉下ラーニィさんは「竹は想像した通り硬かった。でも、こんなに分厚いとは思わなかった。穴が開くときスポッという感じがしてとても楽しかった。家族の作品と一緒に家に飾りたい」と述べた。
日米文化会館の広場には熊本県ブースを設置した。震災後の熊本城の写真を用いたポスターやパンフレットなどを使い、熊本への誘致促進に努めた。
二世週祭最終日の街頭音頭にはくまモンが浴衣姿で参加し、地域の音頭グループらと一緒に踊りを披露した。日本からやってきた人気の「ゆるキャラ」を一目見ようと、多くの観覧者が沿道を埋め尽くした。
18日にはガーデナで「くまモンと助け愛・支援コンサート」を開催。コンサートの序盤は当地のパフォーマーらが音楽やフラメンコで盛り上げ、そこへくまモンが客席後方から小走りで登場すると、約90人が集まった会場からは一気に歓声が上がった。
司会進行を務めた幸代・Kさんは「今回はくまモンが来るということで皆さんウキウキしていた」と観客の雰囲気を語った。
また、熊本の映画「うつくしいひと」、「うつくしいひと、サバ?」の上映会では、小東京とガーデナ、コスタメサの3会場に150人が訪れた。
くまモンは小東京の全米日系人博物館で開催されたロサンゼルス日本映画祭のレッドカーペットと閉会セレモニーへも参加し、サービス満点の動きで日本映画ファンを喜ばせた。閉会セレモニーでは「うつくしいひと」2部作に「熊本復興活動への感謝」として賞が贈られ、タキシード姿のくまモンが盾を受け取った。
今回のイベントの最終的な募金総額は2723ドルとなった。この募金は南加熊本県人会の沖田義邦会長が11月に熊本県庁を訪問し、県知事に渡す予定。【麻生美重】