日本では若い人達の車離れが進んでいる。通勤・通学に徒歩で1時間以内で行けるところ に住んでいれば、車を持つ必要性は低い。都内で育ち、家に車があったが20歳になるまで私は免許を取らなかった。現在は環状線が整備され、地下道が増えて首都の交通も緩和されているが、70年代当時はどこへ出かけるのにも渋滞が避けられなかった。都内では食事代より高くつく駐車代ももう一つの理由で、ほとんど電車をつかっていた。
 ロサンゼルスに移住すると車は必需品になった。ここでは一人一台というケースが圧倒的。70年代にはメトロは無くバスでの移動は時間がかかり、しかも到着時間が不安定。ひどいときには素通りされて、待ち時間だけで1時間を超えたこともあった。 90年代に入りロサンゼルスにも電車が走る光景が出現した。
 数年前バレーからダウンタウンへの通勤を始めた当初、メトロでの通勤を試みたが車に比べ30分以上余分にかかる。最寄りの駅まで車で5分、パーキングを見つけるのに5分。駐車した場所から駅までの徒歩と、電車の発車待ちで計15分ほど。待ち時間を含む乗り換えに15分。乗車中の時間が合計で40分ほど。降車駅からオフィスまで徒歩で10分弱。スムーズに事が運んで1時間半ほどかかる。車だと40分から1時間。45分ほどの差だが、朝にこの差は大きい。
 21世紀も20年ほどが過ぎ、移動手段にウーバーに代表される配車サービスという選択肢ができた。ここ数年利用しているが便利で、相乗りを使えば経済的。毎日の通勤・通学などには向かないが、飲み会に出かけるとか、車が使えない状況などではありがたい。先日萩野氏の磁針『足がない?』に移動手段のことが書かれていた。スマートフォンをお使いでしたら、ウーバーやリフトを試されてはいかがでしょう。
 日本ではタクシー業界との兼ね合いなどで、導入が今ひとつ進んでいない配車サービスだが、行政が折り合いをつけて普及を促してほしい。ウーバーに代表される新しい移動手段はまだ始動したばかり。今後地上だけでなく空や地下での移動手段も見据えている。【清水一路】

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