最新8月16日付けの回答率画面でも、マリブ一帯の回答率は28・5〜37・1%と低い
 いよいよラストスパートの様相の2020国勢調査。カリフォルニア州の自己応答率は全米平均を上回っているが、州の裕福層が住む地域の多くの住民がまだ回答していない。最新の動向をエスニックメディアサービスのスニータ・スフラージさんが解説する。

 州内の970万世帯はすでに回答を済ませているが、一方で200万以上の世帯が、たった9問のオンライン調査に参加していない。カリフォルニアの自己応答率は全国平均より高く、64%を上回っている。中でも居住者の大半が外国生まれとされる調査難関地区の平均自己応答率も高く、他州に比べて優秀だ。
 カリフォルニア州の正確な数の確保を期す「コンプリート・カウント」は、当初からの戦略として、ブロードバンドインターネットへのアクセスがないことからオンラインフォームに記入できない、「数え難い」とみなされる350万〜410万世帯へのアウトリーチ活動に力を入れた。「数えるのが難しい」世帯の特徴には英語が第二言語の世帯、貧困地域とその周辺にある地域に住む世帯も含まれる。
 その甲斐あってか、これまでに「数え難い」世帯からは200万件の回答を得て州の当初の目標を達成した。加州と同じように人種や民族の多様性が同様に高い他の10州と比べても、加州は全米で最も「数え難い」世帯の数が多いにもかかわらず、結果は先行している。

訪問調査員が家庭訪問をする際に持ち歩く道具の一部
 ところが、驚くべきことに、これまでの国勢調査では数えやすかった富裕都市からの回答率が低い。たとえば、上流階級のマリブでは自己応答率はたったの36%に低下。サンフランシスコ周辺では、カウホロー、マリーナ、パシフィックハイツ、プレシディオなどの裕福な地区の自己応答率は53%程度だが、2010年長さではこれらの地区が70%を超えたことからすると、驚くどの減少だ。
 8月3日の記者会見で、「コンプリートカウント」の長年のディレクターであるディタス・カターグさんは、国内のすべての居住者は、移民のステータスに関係なく、国勢調査に応答する必要がある。調査員の家庭訪問を避けるための日数はあと数日しか残されていないと語った。
「これは私たちの国の歴史において極めて重要な時期になる。対面での接触は限られている」と述べ、ドア・ツー・ドアのフィールドワークの不確実性も指摘した。
また、同会見で、米国国勢調査局のスティーブン・ディリンガム局長は、フィールドデータの収集にかかる時間を短縮したことを発表した。これまで、新型コロナウイルス感染拡大の影響でスケジュールは度々変更されてきたが、これまでは訪問調査の最終日を10月31日としていた。ところが、ホワイトハウスに国勢調査の結果を提出する12月31日の法定期限を確実に守るためには、訪問調査は9月30日で終了せざるを得ないと述べた。
 データ収集のタイムラインが短くなったことに、政界はすぐに反応した。 メリーランド州の共和党下院多数党院内総務のステニー・ホイヤー議員は4日に一連のツイートを発表。「昨夜、国勢調査を作業完了前に打ち切るという発表は、憲法と民主主義に対する現政権の露骨な暴行のもう一つの例だ。トランプ大統領は開始前から国勢調査を弱体化させようとしてきた。下院はこれらの虐待の調査を続ける。これまでのところ6割しか数えられていないので、商務長官と国勢調査局長には、憲法の義務付けどうりに全数把握を実施するよう強く要請する。
 カターグさんは、訪問調査が短縮されることを深く懸念していると語った。 「調査の成功には十分な調査員と十分な時間が必要。私たちは歴史的な過小評価の危険を冒している」と語った。

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