浮世絵として有名な江戸時代の葛飾北斎や歌川広重の作品は良く知られているが、木版画の伝統は明治時代以降も受け継がれ、より新しい時代の風景や作風を見ることができ、新鮮。
江戸時代と明治時代の木版画には美しい自然景観が多く描かれ、19世紀頃になると人々が自然景観を慈しむ様子を描いた作品も多く作られた。また、各地の景勝地や有名な寺社仏閣を題材とした版画は、人々を旅に駆り立てたという。他方、木版画家たちは、神話や民話、伝説に登場する霊的な存在や霊獣も描くようになり、縁起のいい神々、いたずら好きな精霊、変幻自在な動物、幽霊、鬼などが作品になった。
日本人は古くから自然景観を崇敬し、その恵みや移ろいゆく季節の美しさを芸術や文学、旅、年中行事を通じて大切にしてているが、それは、超自然的な力が自然界のあらゆるところに存在しているという考え方に基づいている。日本の自然環境や、現代の日本文化にも通じる古くからの信仰心について理解を深めることを意図して企画された展示は、①木版画の歴史と製作工程②自然③超自然—の三つのセクションに分かれている。
展示は今月31日まで開催。入場は午前11時〜午後6時。無料だが、オンラインで入場時間を予約すること。
https://japanhousela.swoogo.com/Reservations
入場時の検温、マスク着用、他人との距離の確保など新型コロナウイルス感染予防のガイドラインを守ること。5階のライブラリーとサロンはまだ閉館中。
また、18日(火)午後5時からは、「Woodblock-printed and Real Journeys Through Japan(木版画の景観と実際の日本の旅)」と題した無料ウェビナーを開催する。スピーカーは美術史と旅行が専門で南山大学に留学経験もあるアン・アーリンさんと、日本政府観光局(JNTO)ロサンゼルスのショブハン・アーモスさん。詳細は同館のホームページで—
www.japanhousela.com
企画展のバーチャルツアーは—
https://www.japanhousela.com/exhibitions/nature-supernature/