ドジャースのプロモーションで配布される人気選手のボブルヘッドを求め、ファンが長い行列を作っていることは、ご存じのことだろう。先週は日本が世界に誇る人気漫画「ONE PIECE」ナイトと銘打ったイベントが催され、球場に足を運んだ。主人公のルフィがドジャースのユニホームをまとったトレーディングカードと、トレードマークの麦わら帽が先着5万2千人に配られたのだ。
この漫画は、海賊王が残したという伝説の宝「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を探し求める冒険ストーリー。3年前の二世週祭のグランドパレードの踊りで、このアニメのテーマ曲が採用されたと言えば、親近感が湧くことだろう。そして、小東京に昨夏オープンしたONE PIECEの公式カフェも大繁盛で、炎天下の行列を見るたびに日本人として誇りに思う。
今回の限定カードは5万2千枚だったが、数は極めて少なく、激レアだという。世界的にコレクターの間で破格の高値で売買されることから、球場では「scalper」と呼ばれる「転売ヤー」が次々に寄って来て、取引現場と化した一種異様な光景に目を疑った。
ある転売ヤーは、40枚ほど手に入れたと言うから驚いた。支払いはもちろんキャッシュ。封筒の中には100ドル札がぎっしりと詰まっていて、これまた驚き。最初に声をかけられた男からは「200ドルで売ってくれ」と持ちかけられたが、その後も断り続けた。最後の10人目くらいの500ドルの提示には心が揺らいだが、歴史的なイベントの思い出を一生の宝にしようと、突っぱねた。
一方、友人らは600ドルや800ドルで手放し、幼児2人と共に3、4回の入退場を繰り返して計数千ドルを手にした友人は、「家計がひっ迫していたので本当に助かった」と、漫画の主人公より先に宝を見つけたような納得の表情が印象的で、母親はやはり強いと、感心させられた。ちなみに、試合前日と当日にネットで確認した観戦チケットの最安値は273ドルだった。
昨今のトレンドとして、長蛇の行列に並ぶのは「ドジャースか、トレジョー(トレーダージョーズの限定ミニトートバッグ目当て)」といわれている。これからも漫画の主人公の気分になって、宝探しの長い行列に並んで、大冒険を繰り広げようと思っている。(永田 潤)
