お披露目された7人の女王候補

 第84回二世週祭の開幕式が12日、小東京の全米日系人博物館(JANM)で開かれた。ヘレン・H・オオタ実行委員長をはじめ祭りの関係者、日本総領事館や日系団体、スポンサー企業の代表ら約200人が出席。今年のテーマ「一期一会(Ichigo Ichie)」の下、8月15日から23日まで開催される本祭に向け機運を高めた。

 オオタ実行委員長は、今年のテーマ「一期一会」について、出会いやその瞬間を大切にする日本の精神であり、「一度の出会い、一度の機会」を意味すると説明。全ての瞬間は唯一無二で二度と繰り返すことができないため、大切にすべきものだと述べた。二世週祭も毎年をかけがえのない体験として大切にしているとし、祭りを支える地域住民や企業・団体、スポンサー、ボランティアに深い感謝を表した。

パイオニアスピリット賞の受賞者紹介で、拍手を浴びる入江健二さん(左)

 支援団体から南カリフォルニア日系企業協会(JBA)の廣岡謙幸会長、ジャパン・ハウス・ロサンゼルスの海部優子館長、全米日系人博物館(JANM)のケニオン・マエダ最高執行責任者(COO)が登壇した。廣岡会長は二世週祭を「日本と南カリフォルニアを結ぶ絆の象徴」と位置付け、今後も文化や地域づくりを通じて祭りを支えていく考えを表明。海部館長は「二世週祭は創設当初から若い世代が中心となって地域を築いてきた」と次世代育成の意義を強調し、マエダ氏は「二世週祭は小東京と日系コミュニティーの歴史や文化、レジリエンスを伝える重要な行事」と述べた。

 グランドマーシャルのマーク・タカノ連邦下院議員、パレードマーシャルの壁画家ロバート・バーガス氏のほか、「実行委員長賞」「フランセス・K・ハシモト・コミュニティーサービス賞」「パイオニアスピリット賞」の受賞者が紹介され、日系コミュニティーの発展や文化継承に貢献してきた功績をたたえた。

グランドマーシャルにタカノ氏

「一秒」に思い込め、振り付け

 8月16日に行われる二世週祭のグランドパレードの舞踊曲と振り付け発表では、公式振付師を務める坂東流ロサンゼルス支部代表の坂東秀十美師と社中の踊り手が、島津亜矢の「YOSAKOI祭り唄」とSixTONESの「一秒」の2曲を紹介。「YOSAKOI祭り唄」は鳴子、「一秒」は扇子を使った踊りとなる。

 「一秒」には、一瞬一瞬の積み重ねが希望や夢につながるという思いが込められており、今年のテーマ「一期一会」とも重なる選曲だ。ロサンゼルス生まれの秀十美師は3歳から日本舞踊を学び、慶應義塾大学に留学中には坂東流家元の坂東三津五郎家に寄宿して研さんを積んだ。南カリフォルニアで25年以上にわたり後進を育成し、本年1月にはアラタニ劇場で芸歴30周年公演も開催するなど、日本舞踊を通じた文化継承に力を注いでいる。

 振り付けの発表に続き、今年の各賞受賞者を紹介。グランドマーシャルには連邦下院議員のマーク・タカノ氏、パレードマーシャルにはロサンゼルスを代表する壁画家のロバート・バーガス氏が選ばれ、さらにトーヨー・ミヤタケ写真館のアラン・ミヤタケ氏には実行委員長賞が贈られた。ミヤタケ氏は、1934年の第1回二世週祭から祭りを撮り続けてきた同写真館の3代目であり、長年にわたり二世週祭の歴史を写真で記録保存してきた。また、地域社会や文化継承に尽力してきた個人・団体に贈られるフランセス・K・ハシモト・コミュニティー・サービス賞とパイオニアスピリット賞の受賞者が発表された。名前を呼ばれた受賞者が腰を上げて一礼するたびに、会場から大きな拍手が送られた。表彰式は8月15日に行われる。

 2025年二世週祭女王のキミ・ルックさんとプリンセスたちが1年間の活動を振り返り、地域行事や文化イベントを通じて築いた絆や経験への感謝を語ったのに続いて、2026年女王候補7人がお披露目された。女王プログラム共同委員長のケイトリン・ハラさんは、候補者たちは5月から毎週、スピーチや面接、日本文化、日本舞踊、太鼓、生け花、着付けなどの研修を重ねていると紹介。「日系コミュニティーの次世代を担うリーダーとして大きく成長している」と期待を寄せた。8月15日に開かれる戴冠式で二世週祭女王を目指す候補者たちは、それぞれ趣味や地域活動、応援する地域団体への思いを交えながら自己紹介した。今年の「表彰・戴冠式」は例年のアラタニ劇場が改修工事中のため、ロサンゼルス・ダウンタウンのトム・ブラッドレー劇場で開催される。

オオタ委員長(左から4人目)らによる鏡開き

 式典の最後には、来賓やスポンサー、役員らによる鏡開きが行われ、会場は華やかな雰囲気に包まれた。

 二世週祭は今後、関連イベントが順次開催され、「ベビーショー」が7月25日にイースト・サンゲーブルバレー日系コミュニティーセンターで行われるほか、一般を対象とした踊りの講習会(パレードおよび8月23日に行われる閉会式の街頭音頭)は7月27、29日、8月3、5、10、12日に日米文化会館(JACCC)のノグチプラザで予定されている。日系の総合スポーツ大会「ニッケイ・ゲームズ」も、7月中旬より8月にかけて各地で試合が行われる。

 祭りの中心は8月15日から23日まで、2回の週末を軸に9日間にわたり小東京で文化展示や各種イベントが開催される。今年は新たな試みとして16日にウェラーコートで若い世代が企画・運営する「JXまつり」を初開催するという。オオタ実行委員長は「小東京の街全体で祭りを楽しんでもらいたい」と期待を寄せる。同日午後4時にスタートするグランドパレードでは、青森ねぶたのロサンゼルス初登場20周年を記念し、青森県から訪問団を迎えて運行する2台のねぶたも見どころとなる予定だ。

 式後の取材でオオタ実行委員長は、「長年祭りを支えてきたリーダーの経験を大切にしながら、若い世代や新しいボランティアにも積極的に加わってもらうことが重要」と語り、「次の100年につながる祭りにしていきたい」と抱負を述べた。そして、「祭りを楽しんだ後も小東京を訪れ、この街が育んできた歴史や文化に触れてほしい」と呼び掛けた。

 二世週祭の詳細はホームページ―

 https://niseiweek.org/

(長井智子)

鳴子を手に「YOSAKOI祭り唄」を披露する坂東秀十美師(中央)と社中の弟子たち
オオタ実行委員長と(前列右から6人目)と各賞の受賞者ら

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