被爆マリア像の数奇な運命をめぐる戦後の物語を紹介した「祈りー幻に長崎を想う刻」 © 2021 K ムーブ/サクラプロジェクト


 ロサンゼルス日本映画祭(JFFLA)が10月4日から10日まで、ウエストハリウッドのマリリンモンロー・シアター(7936 Santa Monica Blvd.)での上映会とオンライン配信による「ハイブリッド方式」で開催される。9、10日の上映会にはゲストが登壇する舞台あいさつも企画されている。

ロサンゼルスでホームレス生活を送る三味線の元達人の映画「String」で三味線を弾く主演の池田直之

 日本映画を通じて日本の文化や若い才能を紹介し、さらに国際的な文化交流を深めるために始まった日本映画祭「JFFLA」は今年で16回目になる。昨年は新型コロナ禍でオンラインのみとなったが、今年は劇場とオンラインでの上映を行う。上映作品はどれも、現代的な日本文化と伝統的な日本の心を映し出した、興味い作品群。公募作品には日米だけでなく、カナダやドイツからの作品もあり、さまざまな視点からJAPANを感じることができる。また、日本の歴史を扱う映画や、上質のドキュメンタリーも上映される。
 長編および短編のの話題作、最新作、環境を考える作品、心温まる招待作品、計約30本が、オンラインおよびロサンゼルスの会場で公開される。
 ロサンゼルス会場に携わる全てのボランティア、入場者、ゲスト、メディアには、新型コロナのワクチン接種証明書もしくは72時間以内の陰性証明書の提示を求める。また、会場内ではマスクの着用を義務とする。会場内の入れ替えの際には消毒をし、マスク配布を行う。
 マリリン・モンロー・シアターでは10日(日)午後6時からレッドカーペットと表彰式を開催予定。また、その他の詳細はウェブサイト—
 www.jffla.org
 ▽主なの上映作品は次の通り。
 なんくるないさぁ 〜生きてるかぎり死なないさぁ〜 沖縄の喜劇の女王・仲田幸子さんが、亡くなってしまった!というなんともショッキングな設定の物語は、なんと「幸子の恋物語」へと昇華していく。幸子さんを筆頭とした沖縄芝居の実力者たちが豪華競演。沖縄芝居の底力にひれ伏したくなる、爆笑芝居合戦は貴重。映画「なんくるないさ」主演の仲田まさえ(仲田幸子さんの孫)が訪米し、会場でQ&Aイベントを予定。
 Peaceful Death 痛くない死に方 「病院」か「在宅」か。在宅医と患者と家族の物語。命あるものには必ず死が訪れる。それを誰も止めることは出来ない。在宅医療のスペシャリストであり実際に尼崎市で在宅医として活躍をする長尾和宏著のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」をモチーフに高橋伴明監督が完全映画化。いつかは自分の親や自分自身に訪れる終期について考えさせられる、必見の一作。
 マイクロプラスチック・ストーリー 〜ぼくらが作る2050年〜 ニューヨーク、ブルックリンの5年生たちが世界的に大きなプラスチック汚染問題を学び、彼らの視点でこの問題の根幹が何かを問いただし、解決に向かって自分たちのコミュニティーからアクションを広げて行くまでの2年間を追った長編ドキュメンタリー。

兵庫・尼崎の医師を取り上げたドキュメンタリー映画「けったいな町医者」

 A Down Town Doctor けったいな町医者 家が病室で、町が病棟や—尼崎の町医者の日常を記録したドキュメンタリー映画。好きな物を食べたい。最期まで自宅で過ごしたい。痛くない死に方がしたい。そんな患者さんと、家族の想いを守るために町医者は今日も全力で走る。怒る。泣く。歌う。看取る。下町を舞台に、生と死を見つめる問題作。
 Lamafa くじらびと 自然とともに生き、命に感謝し、祈りを捧げる。ガスも水道もない素朴な村に1500人が暮らすインドネシア・ラマレラ村。手作りの舟と銛(もり)1本でマッコウクジラに挑むラマファ(銛打ち)。伝統捕鯨の歴史は400年に及び、「くじらびと」たちは互いの輪を最も大切なものとして支え合って暮らしている。SDG’sの観点からも大画面スクリーンで見るお勧めのドキュメンタリー作品。劇場上映のみ。オンラインでの上映はなし。
 String 弦 実話を基にした、ロサンゼルスでホームレス生活を送る三味線の元達人の物語。ボランティアのベスに助けを借りながら人生の再起を図ろうとするが、過去のトラウマが彼を襲う。短編ドラマ。ロサンゼルス会場に主演の池田直之や映画関係者が登壇予定。
 Hank and Jolene 日系人農家の夫婦と、孤独なアメリカ人アルバイトの交流を描くドラマ。LAで撮影された日系アメリカ人の物語。ロサンゼルス会場に主演のEdward Buchananさん、Saki Miataさん、Shinichiro Okanoさんらが登壇予定。
 Prayer: Figments of Nagasaki 祈りー幻に長崎を想う刻(とき)ー 2021年現在、最後の原爆投下地となった長崎で、復興期を生き抜いた人々と被爆マリア像の数奇な運命をめぐる知られざる戦後の物語。主題歌は、さだまさしの「祈り」。

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。