日本歌手協会USA友の会の発足式が5日、トーレンスのミヤコハイブリッドホテルで催された。同会発足の経緯や米国での活動に関するプレゼンテーションを行い、理事役員含め40人ほどの出席者が、会の発足を祝い発展を祈念した。
日本の歌謡曲が米国在住の日本語圏・英語圏の人々の活力源となること、さらには歌謡曲が米国内で普及、発展することを目指すという志から、会長の藤本章さんが6月に日本歌手協会(田辺靖雄会長)の合田理道人事長と日本で会談し、USA友の会が発足する運びになった。
日本からの祝辞として日本歌手協会から会長、理事長、役員で歌手のあべ静江さんらのビデオメッセージが紹介された。日本の歌謡文化を海外で継承する活動への感謝と共に、「コロナ禍が終わったらぜひ米国に歌いに行きたい」と、USA友の会の活動に期待を寄せる声が相次いだ。山本リンダさんは「私たちもコロナ禍で頑張っているので、皆さんもがんばってください」とエールを送った。日本歌手協会は1963年に発足し、日本における歌謡文化の中心的存在。現在560人以上のプロ歌手が会員登録している。
パワーポイントを使ったプレゼンテーションでは、友の会の将来の展望や、全米ネットワーク構築の目標などを挙げた。また、日本でヒットした流行歌が欧米のラテンリズムの影響を受けている例や、70年代のヒット「雨の御堂筋」や「京都の恋」が実はベンチャーズの作曲だという事例、また、いま海外の一部で日本の80年代シティー・ポップ曲がブームになっている現象などを紹介しながら、日本の歌謡曲が米国で根を張る可能性を示唆した。
プレゼンテーションを担当した理事長の廣川真一さんは、「藤本氏が(日本の会社の)本社だとしたら、ぼくは海外支社といった位置づけ」と説明し、日本のすしがカリフォルニアロールになって世界中に広まったことを引き合いに、「日本の歌を米国人に受け入れられる形にして大きく広げていきたい。絶対に共有価値をみつけられるはずだ」と抱負を語った。
その後は、日本歌手協会の活動のひとつである歌唱力の「プロレベル認定」審査を受けた、在米のアマチュア歌手の合格表彰が行われた。締めくくりに6人が歌を披露。今回の受験者の中で最高点で合格したヘルム昭子さんは、「母の愛」を、藤本章会長は「花も嵐も」を歌った。
日本の歌謡文化の普及を目指す会の趣旨に賛同する出席者のケビン亀井さんは、「どの国の歌を聴いても、歌はその国の心を表し、人間模様や生きざまが込められていると思う」と話し、日本の歌を歌う魅力について「たとえば五木ひろしの歌を歌ってそのジェスチャーを真似するとき、『自分は日本人なんだ』と実感する」と話した。
来年前半には会が後援する歌謡イベントとして「春・歌まつり」(3月26日)と「ひまわりカラオケ同好会30周年記念公演・ゲスト北川裕二(キングレコード)」(6月19日)がある。新型コロナが落ち着くことを見越して、計画されている。
会への連絡はメール—
nipponkashukyoukaiusa@gmail.com
米国友の会ウェブサイト—
https://www.nipponkashu kyoukaiusa.org/
日本歌手協会ウェブサイト—
http://www.nkk.or.jp/sp/index.html
【長井智子、写真も】