住民と触れ合い、声を集めるリトル東京ネイバーズで活動するアンドリュー・ヘルナンデスさん(右手前)

 小東京の4カ所で低所得住宅を所有・管理するリトル東京サービスセンター(LTSC)は住民を集めた交流会を11日、小東京のテラサキ武道館で催した。初の試みというイベントは、住民が抱えるさまざまな問題を解決することを目的に4カ月ほど前に結成された支援チーム「リトル東京ネイバーズ・コミュニティー・アウトリーチ」が呼びかけ、参加者102人はLTSCの活動内容を学び、メキシコ料理を食べながら交流を図った。

 4住宅は、カーサ・ヘイワ、サンペドロ・ファーム・ビルディング、ファーイスト・アパートメンツとダイマル。さまざまな人種と、小児から小中高生、大人、シニアまでの幅広い年齢層が参加し、小東京住民の多様性が見られた。

家族連れで参加し、写真に収まる住民

 LTSCのコミュニティー・オーガナイザーの桂木靖恵さんによると、住民からなるリーダーシップグループの結成をLTSCが手助けし、住民の生の声を行政に届けるため、「自分たちで問題を解決しよう」などと団結を促すという。小東京では、ここ1年あまりでスモークショップから発生した火災が2件起こり、近所のカーサ・ヘイワの住民の日常生活に支障が出た。その様な際の不便や改善の要望をまとめて、市に規制を求めていく。桂木さんは、各施設で暮らす住民は互いを知らないため、この日知り合えたことを喜び、「LTSCのビルディングで皆一緒に住んでいるので、少しでも輪を広げてほしい。リトル東京は日本人・日系人だけでなく、みんなを歓迎する町ので、ご近所の絆を育んでほしい」と願った。

ゴーフォーブローク・アパートメンツについて説明を受ける参加者

 各ブースでは、参加者はビンゴに興じ一喜一憂したり、インスタグラムなどのソーシャルメディに掲載するための写真ブースで撮影を楽しんだ。住民の問題を聞くブースには意見箱が設けられ、声を集めて解決や改善に役立てる。イベントではまた、LTSCが行う活動の周知も行われた。小東京のファーストストリート・ノースブロック(1街の北側の一角)には、LTSCとゴーフォーブローク・ナショナル教育センター(GFBNEC)が共同で推進するプロジェクトで「ゴーフォーブローク・アパートメンツ」が建設を予定する。参加者は、LTSCのスタッフで同プロジェクト・マネジャーのダニエル・ダングさんの説明に熱心に耳を傾けていた。アパートが完成すると仲間の隣人が増え、リーダーシップグループの意義はより大きくなるに違いない。
 カーサ・ヘイワに母親と兄の3人とペットの猫と暮らすケルビン・イムさん(13)は小東京の住み心地について「引っ越してきて6年になり、とても好きで住みやすい。夜は街中をはいかいする人がいて怖い時があるけど、日中は安心して外に出られる。おいしい料理を出すレストランがいっぱいあってとても好きだ」と笑顔で話した。6月の火災はカーサ・ヘイワのすぐ隣の商業ビルで起こったが、「大きな爆発音で目が覚めた。炎が見えて、黒い煙が上がりお母さんがともて怖がって、家族が不安になった」と振り返った。LTSCの活動については「人々を助けることをたくさんしていて、とてもいい。ジム(テラサキ武道館)も作ってくれてうれしい」と称賛した。

林さん、絞り染めを披露
住民の支援活動にも意欲

 小東京にあるアート施設「LA ARTcore」などで作品を発表している染色家、林節子さんはカーサ・ヘイワに住んで12年になる。林さんはまた、リトル東京ネイバーズの一員にもなって、他のアーティスト仲間らとともにカーサ・ヘイワ1階にあるLTSCのオフィスで行われる毎月のミーティーングに参加している。

糸や輪ゴムを使った絞り染めを教える林さん(左)。右がカーサ・ヘイワに6年暮らすケルビン・イムさん

 インドネシアと日本双方の技法を駆使する林さんはこの日、ろうけつ染めと絞り染めの大中9点の作品を展示し、デモンストレーションでは絞り染めを披露した。「みなさんに日本文化を体験してもらいたかった」と、絹の布を用意し、子供たちが好きな魚とてんとう虫、蝶の下絵に沿って糸で縫ったり、木製の棒や小さなボールを使って輪ゴムを縛る方法を教えた。煮立てた染料に浸けて絞ると、布は空色に鮮やかに染まり図柄がくっきりと浮かび上がり歓声が上がった。参加者は力を合わせた作った自慢の作品と並んで写真に収まるなどし、日本文化を通して親睦を深めた。

参加者のリクエストで写真撮影に応じる林さん(左)

 林さんは「初めて絞り染めを体験した人ばかりで、特に好奇心旺盛な子供たちが喜んでくれてよかった。多分、日本文化に初めて触れた人も多く、せっかくリトル東京に住んでいるので、これから日本文化を学んで、その素晴らしさを知ってもらいたい」と語った。リトル東京ネイバーズの活動については「この前の火事などで、困ったことを話して問題を伝えないと良くはならないことが分かった。リトル東京の界隈の人々はいい人ばかり。助けして住民同士のつながりを発展させていきたい。今日のこうした交流は今までなかったので、続けていきたい」と、意欲を示した。
 林さんとともにリトル東京ネイバーズで活動するアンドリュー・ヘルナンデスさんはこの日、住民との触れ合いに努めた。活動について「チームは3人にいて、リトル東京で起こっている問題を解決するために話し合っている。住民の声を聞くことから始めていて、今日のイベントで声を集めることができた。そして、セツコさんの作品を見せて作品を作る体験もできてよかった」と胸を張った。【永田潤、写真も】

参加者とともに仕上げた作品を披露する林さん(右)

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