取り壊しが決まったかつてのICF

 さくらガーデンズの中間看護施設(ICF)取り壊し問題で居場所のなくなった元居住者の高齢者を支援する家族会とセーブ・アワー・シニア・ネットワーク(SOSN)は、ICFから「さくら」アシステッド・リビング棟に転居した人の差額家賃について10日、声明を発表し、施設経営社のパシフィカが州からアシステッド・リビング・ウェイバー(ALW)の承認を得るまで、パシフィカが差額家賃を負担することになると明らかにした。カリフォルニア州公衆衛生局の「Adult and Senior Care Office」から連絡を受けたという。
 ICFからアシステッド・リビングに転居した89歳の松本ローズさんの家族は、「母が日本の文化に配慮されたバイリンガル・ケアを受けるためには『さくら』しかなかったが、大幅な家賃差額を補てんする方法がなければ居住は不可能。ALWがいつ認可されるのか分からないのは、大きなストレスだった」と話し、パシフィカの差額負担を歓迎した。
 8月、転居場所が決まらずICFに残っていた高齢者の慌ただしい立ち退きの際、家族会とSOSNは、入居者がICFに隣接するアシステッド・リビングに移転できるよう要求した。そうすれば他の選択肢とは異なりバイリンガルサービスや日本の食事を受けることが可能になる。だがパシフィカ社は利用可能ベッド数や入所の基準を明らかにしなかった。しかも、同施設では州運営の「Medi-Cal」による医療費払い戻しが受けられないため、6カ月間有効の「ウェイバー(放棄書)」を取得することで、やっと6人のみの入居が認められたという経緯がある。
 一方、施設に継続的に6人の入居者を受け入れるためには、パシフィカ側も独自の放棄書を確保しなければならず、同社はそれに「取り組んでいる」と家族会やSOSNに報告していたにもかかわらず7月、保健局はパシフィカが申請を完了していなかったことを入居者に伝えていた。これにより、入居者のウェイバーは半年後には無効になるが、パシフィカのウェイバーは間に合わないという事態が懸念されていた。パシフィカの無責任な行動により、Medi-Calで補助されない家賃の全額が移転者にのしかかるという状態だった。
 家族会の設立者で、SOSN共同議長を務めるトレイシー・イマムラさんは「私たちは8月以後、アッシュ・イスラニCEOへの嘆願書や直接の連絡を通じて対策を求めてきた。是正されるべき時がきていた」と述べた。

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