特番「From Little Tokyo to Crenshaw」では、司会のネイサン・マスターズ氏(右)が全米日系人博物館のコレクション・マネージャーのクリステン・ハヤシ博士を訪ねる

 南カリフォルニアの芸術、文化、ニュースを伝える公共放送サービスのKCETが、エミー賞受賞の歴史ドキュメンタリーシリーズ番組「Lost LA」(全5回)を放送している。同番組は南カリフォルニア大学図書館と共同制作されており、同大学が長年取り組んできた地域史コレクションの一般公開の一環として放送されている。中でも16日(土)に放送予定の番組は第2次世界大戦の強制収容所から帰還した日系米国人が暮らしたロサンゼルスのクレンショー地区に関する内容となっており、注目される。
 「Lost LA」は、カリフォルニア州の図書館や公文書館から集められた文書、写真、その他の貴重な残存資料を通して、地域の隠された過去を探る番組。2016年1月の初放送以来、「ロサンゼルスは歴史のない都市」というへき見をくつがえすべく挑戦し続けている。番組ではあまり語られることのない、あるいは忘れさられた南カリフォルニアの歴史やロサンゼルスの歴史を深掘りし、今日のロサンゼルスと結び付けている。日系人の歴史を特集する「From Little Tokyo to Crenshaw」は、16日(土)午後9時からKCETで放送予定。
 3月19日(土)午後9時にプレミア放送された今回の「Lost LA」シーズン5は、毎週土曜日にKCETで、また、翌週にPBS SoCal(KOCE)で再放送後に、ウェブサイト (http://kcet.org/LostLAhttp://pbssocal.org/LostLA) とPBSの無料アプリを通じてストリーム配信されている。
 番組は公共歴史家で作家のネイサン・マスターズ氏がホストを務め、テーマに鉄道輸送システム「レッドカー」をはじめ、ワイン醸造、ロサンゼルスの先史時代の風景、クレンショー地区の日系コミュニティー、そして第2次世界大戦中にヨーロッパの最も優れた芸術家や知識人のための聖域としてのロサンゼルスの知られざる歴史が紹介される。
 「Lost LA」は、カリフォルニア州立図書館、フリーダ・バーリンクスキ財団、その他機関投資家の支援を受けている。番組の詳細やオンライン視聴についての情報は、KCETのウェブサイトを参照。また、ハッシュタグ「#LostLA」からSNSのチャットに参加することができる。
 ▽シーズン5の内容は以下の通り。
 ◉「Who Killed the Red Car?」(KCET3月19日放送)偉大な米国の鉄道輸送システムの一つが解体の憂き目にあった。番組では、レドンドビーチの沖合に沈んだレッドカーの探索に加え、パシフィック電鉄の跡地を巡るほか、南カリフォルニア鉄道博物館の共同設立者ハーベイ・ラナー氏と復旧路面電車の旅を楽しむ。また、最新の鉄道輸送プロジェクト「クレンショーライン」の現場を訪ねる。
 ◉「Winemaking」(KCET3月26日放送)ロサンゼルスの名を広めた産業には、映画、航空宇宙、オレンジ、石油に加え、ワインがある。番組では、ワイン製造が南カリフォルニアの主要産業であった時代にフォーカスを当てた。ロサンゼルスで最も古いブドウの木からブドウを収穫するほか、産業を築いた労働者や長い間失われていた伝統を復活させようとする進取の気性に富んだワインメーカーに話を聞く。
 ◉「Prehistoric Landscapes」(KCET 4月2日放送)南カリフォルニアの気候は千年単位で変化してきた。番組では、ラ・ブレア・タールピッツ(天然アスファルトの池)での過去の気候変動の記録を探る。また、ベンチュラ沖に沈む超巨大島の残骸、そして遠い将来に研究において科学者にとって有益となる可能性を秘めたオーハイの天然タールピットを訪ねる。
 ◉「German Exiles」(KCET 4月9日(土)午後9時放送予定)第2次世界大戦中、ロサンゼルスはナチスの迫害から逃れたヨーロッパの芸術家や知識人のための聖域だった。番組では、南カリフォルニア大学のドヘニー記念図書館でナチスの「社会の敵Nо・1(Public Enemy Number One)」のアーカイブを探索する。また文学サロンとしてにぎわったパシフィック・パリセーズの邸宅や、亡命者たちが映画製作のために創造的な舞台として作り上げたパラマウント映画のスタジオを訪れる。
 ◉「From Little Tokyo to Crenshaw」(KCET4月16日(土)午後9時放送予定)第2次世界大戦の強制収容所から帰還した日系米国人は、ロサンゼルスのクレンショー地区でコミュニティーを再構築した。番組では、小東京を散策し全米日系人博物館を見学するほか、クレンショー地区のタックカフェやドーシー高校などを訪れ、この地域の多様な歴史と今日の地域づくりの取り組みがどのように交差しているかを考える。

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