ヨセミテ国立公園で発生した「ウォッシュバーン火災(Washburn Fire)」は12日現在も、高温で乾燥した天候により拡大を続けている。米国森林局によると、3516エーカーが焼失。千人以上の消防士が消火活動に当たり、17%鎮火している。ロサンゼルス・タイムズが報じた。
公園の南口付近にあるワウオナ地域は現在も強制避難命令下にある。周辺には樹齢3千年のグリズリー・ジャイアントを含む500本以上のセコイアの巨木が自生する「マリポサ・グローブ」がある。
近年、気候変動の影響による火災によってセコイアが大量に焼失しており、昨年にセコイア国立公園で発生した「KNPコンプレックス」と「ウィンディ」火災では、世界のセコイアの3〜5%が焼失したと推定されている。今回の火災では、全米がグリズリー・ジャイアントの焼失を心配しているが、スプリンクラーシステムの設置、稼働で、木々を保護することに成功するだろうと発表されている。
火災原因は公式には明らかにされていないが、ヨセミテ国立公園監督官のシセリー・マルドゥーン氏は「火災が発生した日は落雷もなかったので、自然発火とは考えにくい」という見解を示し、原因については調査中だと述べた。
「マリポサ・グローブ」保護の歴史は古く、ヨセミテ国立公園と国立公園局の創設以前の1864年にエイブラハム・リンカーン大統領が同地域の保護を制定したことにさかのぼる。